資産運用

商品価格とドルインデックスの関係

商品価格は景気が良くなれば消費量が増えることから上昇、景気が悪くなれば消費量が減ることから下落と考えられることも多いですが、実際には違います。では何に連動しているかというとドルインデックスに連動しているのです。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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商品価格とドルインデックスの関係

対円でもドルは一時88円台に急落しましたが、ドル円だけでなく、注意して見る必要のあるのが米国主要貿易相手国通貨を加重平均したUSドル・インデックスです。

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ドルインデックスは3月に89台をつけてから現在76台まで下がり続けています。特にドルインデックスと金価格は明確な逆相関にありますが、他の原油などの商品もドルが下がれば上がるとうい逆相関が見られます。2009年3月以降、株式市場が景気回復期待で上がったので、同じく景気回復で資源需要が高まって資源価格も合わせて上昇してきたとうい解説をよく聞きます。

しかしそれは間違っています。過去に株価と商品価格が上のドルと金価格のような相関もしくは逆相関の関係が確認されたことはありません。商品は株価と一緒になって上がったり下がったりする時期もあれば、株価と反対に動く時期もあり、バラバラです。商品は全く別のものであるというだけで、株価とは関係がなく、ヘッジにもなりません。(分散にはなりますが)

例えば2008年上半期はサブプライム問題で世界の株価指数はすでに大きく下がっていましたが、原油など多くの商品と資源銘柄は暴騰しました。リーマンショック後は株も商品も総倒れとなりましたが、金価格だけは堅調でした。金価格は数年前の景気絶頂期も上がっていましたし、100年に一度と言われた不況時も上がりました。そしてここ半年に限れば株と商品は同時に上がって同時に下げています。1970年代は株が下がり、商品が上がりました。

このように商品と株式相場は何ら関係がなく、たまたま同調したり、逆に動いたりする時期があるということです。

商品と関係があるのは株価ではなく、ドルインデックスです。ドルインデックスとCRB商品先物指数、原油、金価格などは明らかに逆相関の関係にあり、このうち金価格が最も濃い相関を示します。

そして今後もドル安が続くとみるならば、仮に株が反転調整しても商品と資源株だけは上がるとう可能性も十分あり、重要なのは景気でなく、ドルインデックス次第と考えることもできます。景気だけで見れば、今の経済状況で原油が70ドルをつけているのはすでにおかしいと思えます。それでもドルが下がれば原油も(金ほど明確ではありませんが)総じて上がるのです。
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