9ヶ月~1歳頃から4歳頃までの子どもに使用するチャイルドシートを「幼児用チャイルドシート」と呼びます。進行方向前向きで使用し、5点式ハーネスでしっかりホールドします。これまで後ろ向きのシートで視界も限られていた赤ちゃんも、前向きになり、視界が広がるので機嫌がとりやすくなることでしょう。
2012年施行の安全基準で定められる5段階のグループ分け(0、0+、I、II、III)では、グループ I(体重9~18kg、およそ9ヶ月から4歳頃まで)です。
5点式のハーネスでサポートするタイプが主流
幼児用チャイルドシートは車のシートベルトで座席に固定をします。乳児から幼児へと体格も大きくなり、取り付けをしっかりすることがこのタイプのチャイルドシートの大切な要素。機械的にシートベルトを巻きこんでしっかり固定するような工夫のある製品もあり、そうした新しいアイディアを投入した製品がアセスメントなどでの安全評価も高いようです。
子どものホールドはシールドと呼ばれる大きな胸当てで行うものもありますが、安全面ではいまひとつ評価が得られていません。現在は股、腰、肩を5点式のハーネスでサポートするタイプが主流です。
リクライニング付きのものは、背もたれ角度が調整できます。大きく傾けると安全性を損ないますので、リクライニング角度の幅は15度程度と大きくはありません。またリクライニング付きとなっていても、座席に固定したらリクライニングが動かないものもあります。固定後もリクライニングが稼働するタイプが便利です。というのも、幼児期の子どもは車に乗って揺られているとすぐ寝てしまうものの、起きているときはしっかり体を起こしたがりますので中途半端な角度を嫌がります。リクライニング付きだと子どもの機嫌もとりやすくて安心です。
汎用ISOFIXチャイルドシートも登場
ISOFIXという、チャイルドシートを金具で固定するタイプの物も、この「幼児用チャイルドシート」の固定性能を高めるために開発されました。今までは車会社の純正品しか使用できなかったISOFIXチャイルドシートも、いよいよ「汎用ISOFIXチャイルドシート」の販売が始まり、将来的にはどの車に、どのチャイルドシートを取り付けても、金具で簡単に万全に取り付けできるという時代が始まろうとしています。より固定性能を高めて、究極の安全性を子どもに提供したいと考える親御さんはISOFIXチャイルドシートのご検討もお薦めします。
ただし、この規格が法的に強制力をもつのは2012年。その後、世の中の車が徐々に新しいものに入れ替わっていったときに実現する姿です。今のところは新しい車両を購入された方からご検討ください。ISOFIXについては『チャイルドシートの新安全基準』記事にも関連情報を紹介しています。