地上波デジタル移行への助成金制度あり

各家庭のデジタル対応はかなり進んだが、約2割が未対応

各家庭のデジタル対応はかなり進んだが、約2割が未対応

現在の地上波アナログ放送は、2011年7月24日をもって終了し、全ての地上波放送がデジタル放送に移行される予定です。

そのために、日本の各家庭や集合住宅、オフィスビルなど全ての施設は、来年の7月24日までに地上波デジタル放送に対応した受信機やアンテナなどを設置しなくてはいけません。

各家庭のデジタル放送対応はかなり進んでいますが、2010年3月末現在で受信機の普及率は83.8%となっており、約20%が未対応のまま残っています。

このまま予定通りに来年の7月24日でアナログ放送が終了するとなると、デジタル放送に対応していない家庭は、それ以降はテレビが見られなくなってしまいます。その事態を解決するために、国が集合住宅のデジタル放送対応工事費用を助成する助成金制度が実行されています。

助成される額は世帯あたりの改修費による

助成金がおりるのは、主に集合住宅が地上波デジタル放送受信のために共同アンテナなどを工事する場合。助成金の額は、世帯あたりの改修費によって決まります。

ここで言う「世帯あたりの改修費」とは、単純に改修費の総額を施設の世帯数で割って出る数字のこと。

例えば、改修費の総額が100万円で、施設の世帯数が20だとすると、世帯あたりの改修費は100万円÷20=5万円となります。助成金の額は、この数字次第で3つのケースに分けられます。

■世帯あたりの改修費が7万円以上の場合
世帯あたりの改修費が7万円以上の場合は、改修費総額の半額が助成されます。例えば、世帯数が20で改修費が200万円かかったとすると、世帯あたりの改修費は200万円÷20=10万円。この場合は、半額の100万円が助成金になります。

■世帯あたりの改修費が3万5000円以上7万円未満の場合
世帯あたりの改修費が3万5000円以上7万円未満の場合は、世帯数×3万5000円を超えた分が助成されます。例えば上のように、総改修費が100万円で世帯数が20だったら、世帯あたりの改修費は5万円。その場合、世帯数20×3万5000円=70万円を超えた金額、30万円が助成金として支給されます。

■世帯あたりの改修費が3万5000円未満の場合
世帯あたりの改修費が3万5000円未満の場合は、助成金の対象にはなりません。例えば、改修費の総額が50万円で世帯数が20だった場合は、世帯あたりの改修費は50万円÷20=2万5000円。この場合は、助成金の対象ではありません。

以上が一般的な集合住宅などの地デジ以降関連工事に対する助成金制度ですが、この制度の申請受付期間は2010年の4月12日から8月31日までとなっています。今月一杯で締め切りになるので、申請を考えている方はお早目にした方がいいでしょう。

受信障害対策共聴施設への助成金

地デジ以降への助成金制度は、他にも条件付きのものがいくつかあります。例えば、受信障害対策共聴施設に対する助成金がその1つです。

受信障害対策共聴施設とは、地デジの受信障害に対応する設備のこと。高いビルやマンションがあると、地デジの電波が近隣の施設に届かない受信障害が起こる可能性があります(いわゆる「ビル陰」問題)。

受信障害に対応するためには、高いビルやマンションのオーナーは受信障害対策の設備を導入する必要があります。その工事に対しても助成金がおります。

助成金の額は、すでにアナログ放送用の受信障害対策施設を持っていてそれをデジタルに対応する場合で、総費用の半額。新規で受信障害対策施設を導入する場合は、総費用の3分の2になります。

この助成金は2010年7月30日で一旦申請受付を終了してしまいましたが、当初の目標に届かなかったので、9月1日から11月30日に再募集をかける予定です。

特殊な条件下での助成金

それ以外にも、離島などの条件で地上波デジタル放送が見られないなど、特殊な条件下にある視聴者に対しての助成金制度があります。

■難視地区に対する助成金
地上波デジタル放送の電波が届きにくい地域が「難視地区」として政府に指定されていますが、難視地区の住民が地上波デジタル放送への対応工事をする場合には、専用の助成金が用意されています。

難視地区とは離島などだけではなく山間部も含まれますので、全国にかなり多くあります。総務省のこちらのページに実際の難視地区一覧が乗っていますが、全国のほとんどの都道府県に難視地区は存在しています。

■混信対策への助成金
地上波デジタル放送の中継局は全国に複数開設されるので、地域によっては2つ以上の電波が届いて障害が起こる混信問題が存在します。

混信への対応には費用がかかるので、その費用に対しても国から助成金が出されます。

■NHKによる自主共聴
地デジに対する助成金は、国だけではなくNHKも提供。山間部や離島などの条件で難視が起こっている地域が自主的に共同受信施設を設置する場合(自主共聴)について、NHKが費用の一部を助成金として負担します。

予定通り移行できるのか?

最初にお話したように、地デジ完全移行の2011年7月24日まですでに1年を切っているのにも関わらず、全国の約20%の世帯がまだデジタル対応になっていません。

このまま来年7月24日を迎えても、残った約20%の家庭は、地上波のテレビが全く見られない状態になるだけ。そういった事態を避けるために、「デジタルへの完全移行を数年遅らせた方がよい」という声も出ているほどです。

遅らせるかどうかはまた別の議論としても、助成金制度があるので、利用できる方はフル活用するのがよいのではないでしょうか?


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