「要保育度」認定を受けて、自分で園を選ぶ?
市区町村が各家庭の要保育度(保育の必要性)を判断 |
たとえば、今の認可保育所の制度はこんな感じ。
保育の必要な親は市区町村に申し込む
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市町村が家の状態などから入園を検討
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自治体が入園できる保育所を決め、割り振って入園させる
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保育料は自治体に納める。
ところが、今度の制度改正で考えられている方法は、今までとはまったく違います。図解すればこんな感じ。
まず、保育が必要な親は市区町村に出向く
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市区町村が「保育の必要性」(要保育度、のようなもの)を判断
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「あなたはフルタイム勤務だから、1日11時間×5日間の要保育度ですよ」
「あなたは短時間勤務だから1日3時間×3日間の要保育度ですよ」
……というように要保育度を認定される
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親はその「要保育度」の認定を受け取る
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自分で入りたい保育園に連絡して入園を申し込む
……という制度になるというんです。保育料も、今は親がそれぞれ市区町村に払っていますが、それを、園に直接納める仕組みになるのだとか。
子育てママの負担増大!
ちょっと待ってください! 「自分で保育園を選ぶ」なんていうと聞こえがいいものですが、そもそも、初めて赤ちゃんを産んだばかりのママに、どうやって保育園の情報を調べろっていうのでしょう? 「自己責任」として自分で調べろっていうこと? それまでは市区町村の窓口に行けば、ある一定の水準以上の認可保育所に入園できる(かも)という安心感がありました。でも自分で選ぶのは本当に大変なこと。しかも、きっと便利なところにある園に人気が集中するでしょうから、申し込んでも次々に断われる可能性もあります。今までは第6希望の園まで一度に申し込んで待っていれば、とりあえずどこかに割り振られたものが、それを全部自分でやれと言われても、赤ちゃんを抱えたママたちの負担がどれだけ増すと思っているのでしょうか?市区町村の窓口に行くことだけだって大変なのに、何度も保育園に足を運ばせようというこの制度改革。とても子どもを育てている人からの発案とは思えません。
では、次回はこの制度改革が「消費税アップ」を念頭に置いて考えられていることや、企業の園を誘致する目的で作られていることなど、子どものことを考えた上での改革ではないことについて、詳しく解説します。