最近のスキャナ事情
従来は出力機器であるプリンタに比べて一般的でなかったスキャナだが、最近ではプリンタ機能とスキャナ機能などを組み合わせた複合機が主流になっており、「プリンタはあるけどスキャナはない」という家庭は少なくなっていることだろう。
だが複合機が主流になったことから、スキャナを単体で購入する家庭の割合は一層少なくなったのではないかと思われる。単体でスキャナの方が性能が高い場合も多いものの、一般的な利用においては複合機で十分なケースも多く見られるためだ。
こうした事情から、ビジネス用途で利用しやすいモデルが注目されている。大量の書類をADF(自動給紙装置)によって次々に読み込み、PDFなどのデータ形式に変換できるアプリケーションなどが付属するモデルだ。A3用紙対応なども、複合機にはない単体スキャナならではの機能だ。
そのほか、昔に撮影した銀塩フィルムを画像データに変換できる「フィルムスキャナ機能」などを利用したいユーザーにもお薦めと言える。
まずは基本を押さえておこう
スキャナを購入するに当たって、まずは基本的なスペックを知っておこう。■押さえておきたい基本スペック
・原稿サイズ
基本的にはA4サイズが中心だが、デザインの現場などで使用されるA3対応などのモデルもある。A3対応機はほとんどが10万円以上なので、一般的な用途として購入することはまずないだろう。
・イメージセンサー
単体スキャナーは複合機と違って「画質が命」なので、低コストで読み取り性能の高くないCIS方式より、高コストながら読み取り性能の高いCCD方式を選びたい。CCD方式はCIS方式に比べて立体物に強いため、原稿に凹凸があっても影(暗くて読みにくい部分)ができにくいという特徴がある。両面読み取り対応などの場合、CCDを表裏に2つ搭載しているモデルもある。
・光学解像度
光学的に読み取れる最高解像度のことで、これが大きいほど高画質と言える。だが最近の一般的なフラットベッドスキャナ(フラットなタイプのスキャナー)は、ほとんどのモデルが一般的な用途では十分な2400dpi(1インチあたり2400ドット)以上の解像度を持っている。光学解像度は一つの目安にはなるものの、そのほかのスペックの方が使い勝手の面で大きく影響するだろう。