団体信用生命保険と相続放棄
住宅ローンの返済は団体信用生命保険でなんとかなったとしても、被相続人が万一その他に大きな負債(借金)を抱えていた場合はどうなるのでしょう。相続とは被相続人の財産全てを相続することを言います。したがって、団体信用生命保険に加入していて、住宅ローンの債務から解放されても他に負債を抱えていた場合は、家族が返していかなければいけません。
もし、遺された家族がその負債を返していくことができなければ、相続放棄により負債の財産を拒否するか、相続放棄せずローン返済のなくなった自宅を売却して負債を返すかという手段をとるしかありません。相続を放棄すればもちろん不動産を相続できないので自宅を手放すことになり、せっかくの団体信用生命保険も意味がなくなります。
プラスの財産を相続する時は必ずマイナスの財産を相続しなければいけません。団体信用生命保険が確実に有効なのは住宅ローン以外の負債がない場合です。
もし被相続人が住宅ローン以外の負債を抱えていた場合は、どのような方法をとるのがよいかを考え、前述の3通りの中から相続の方法を選択し、相続開始を知った時より3カ月以内に手続きしなければいけません。