住宅を購入する際に住宅ローンを利用すると、民間の金融機関であれば殆どの場合、生命保険に加入しなければいけません。金融機関は生命保険金でローンの残高を清算し、遺された家族がローンの返済ができなくなる事態を防ぐためのいわば「保険」を掛けます。

しかし、もし被相続人(一家の大黒柱)が住宅ローンの他に借金を抱えていたら、団体信用生命保険でローンの返済は何とかなったとしても、それ以外の負債の部分のためにも相続放棄した方がよいのでしょうか?そんなケースのときにどう考えればいいのかについてご説明いたします。

まずは「団体信用生命保険」と「相続放棄」の仕組みについて整理してみましょう。

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険とは、住宅購入時に住宅ローンを利用した場合、殆どの場合、加入しなくてはいけない「生命保険」のことです。

団体信用生命保険は、皆さんご存知の一般的な生命保険と同様に、亡くなった場合に保険金が支払われますが、支払われる保険金はローンの返済(完済)に充てられます。遺された家族が路頭に迷わないよう、また、金融機関にとっても貸し倒れを防ぐために不可欠の保険です。

相続放棄とは

相続と言っても、プラスの財産(不動産や金融資産)だけでなく、マイナスの財産(借金などの負債)があれば、その両方を引き継ぐことになります。しかし、「相続放棄」といって、プラスの財産を相続しない代わりにマイナスの財産を拒否したり、「限定承認」といいプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継げる方法があります。相続には以下の3通りの選択肢があるのです。

■単純承認
すべての財産と負債を相続することです。マイナスの財産すなわち負債を相続した場合はその債務を全て負うことになります。

■限定承認
限定承認とは相続した財産で負債を弁済した後、余りが出ればそれを相続できるというものです。被相続人の負債が相続する財産よりも多いか少ないかわからない時にこの方法が用いられます。

■相続放棄
全ての財産を相続しないことをいいます。負債を負わなくて済みます。

では、もし被相続人が住宅ローンの他に借金を抱えていたら、相続についてどう考えればよいでしょうか?