チャイルドシートには、さまざまな種類がある!その違いは?
適切なチャイルドシートを使用して、交通事故の被害から子どもを守りましょう。
子ども用のカーシートを総称して「チャイルドシート」と呼びますが、実際の製品としては生まれてすぐから1歳頃まで使用する「新生児・乳児用ベビーシート」、およそ1~4歳で使用する「幼児用チャイルドシート」、3~4歳以降で使用する「学童用ジュニアーシート」、そしてそれらの兼用ができるシートなど、さまざまな種類があります。
ここでは、2012年施行の安全基準で定められた5段階のグループ分け(0、0+、I、II、III)をもとに、解説をしていきたいと思います。これらの5つのグループは、それぞれのグループの専用品もありますが、2つ以上のグループにまたがって使用できる兼用品もあります。その他、国内、海外製品の特徴なども以下に紹介します。
新生児・乳児用ベビーシート
移動時のキャリーや出先での簡易ラックにもなる便利なベビーシート(0~1歳程度)
- グループ 0 体重0~9kg
新生児からおよそ生後9ヶ月頃まで - グループ 0+ 体重0~13kg
新生児からおよそ生後15ヶ月頃まで
ベビーシートは生まれてすぐから1歳頃まで使用できるチャイルドシートで、進行方向に対して後ろ向きで使用するのが特徴です。赤ちゃんを寝かせたまま移動できるキャリーとして、また出先で簡易ラックとしても利用できます。製品によっては、ベビーカーとドッキングできる便利なものもあります。詳しくは『新生児乳児用ベビーシート』の記事で説明します。
幼児用チャイルドシート
ベビーシートを卒業したら幼児用にチェンジ 視界も広がり子どもも喜ぶ
- グループ I 体重 9~18kg
およそ生後9ヶ月頃から4歳頃ま
で
ベビーシートを1歳前後まで使用した後を引き継ぐのがこのグループIの幼児用チャイルドシートです。進行方向前向きに取り付けして、子どもは5点式ハーネスでホールドするものが一般的です。
詳しくは『幼児用チャイルドシート』記事で説明します。
学童用ジュニアシート
15キロ以上で使えるのがジュニアシート 車のシートベルトを直接使えるので手軽です
- グループ II 体重15~25kg
およそ3~4歳から6~7歳頃まで - グループ III 体重 22~36kg
およそ5~6歳頃から11~12歳頃まで
幼児用のチャイルドシートと違い、車のシートベルトを直接子どもに使用するシートです。大人用のシートベルトを小さな子どもの体格に合わせるために、座面を高くして腰ベルトがきちんと骨盤にかかるようにし、肩ベルトが首にかからないようにベルトガイドで位置調整をします。腰下だけの簡便なものと、背もたれ付きで上半身もサポートするものがあります。詳しくは『学童用ジュニアシート』記事でご説明します。
乳児・幼児兼用シート
日本では人気の乳児幼児兼用シート(0~4歳頃まで)
- グループ0~I 新生児~体重18kg
およそ4歳頃まで
日本では新生児期から4歳頃までを1台でまかなえる乳児幼児兼用シートが人気です。1歳未満は進行方向後ろ向きで使用し、途中から向きを反転して幼児用チャイルドシートに変化します。構造がやや複雑化しデメリットがあるものの、合理的、経済的なメリットが支持されています。
詳しくは『乳児幼児兼用シート』記事でご説明します。
幼児・学童兼用シート
ベビーシートの後をこれ一台でまかなえる幼児・学童兼用シートも人気
およそ9カ月から6~7歳頃まで
・グループ I~II~III 体重9 ~ 36kg
およそ9カ月から11~12歳頃まで
幼児用のチャイルドシートとして体重18kgまで使用して、以後はハーネスを取り去り、ジュニアシートとして使用可能なタイプ。
詳しくは『ロングユースチャイルドシート』記事でご説明します。
乳児・幼児・学童兼用シート
法規制のある6歳未満の期間を、1台でまかなえるチャイルドシートも
- グループ 0~I~II 新生児~25kg
およそ6~7才頃まで - グループ 0~I~II~III 新生児~36kg
およそ11~12才頃まで
法規でチャイルドシートが必要とされている期間を1台ですべてまかなってしまう製品もあります。ただし、2012年施行の新安全基準より種類が減る、あるいはなくなるかもしれません。
ベスト型・簡易型チャイルドシート
携帯に便利な簡易シートは、まもなく日本では販売終了か
1歳半から4歳頃まで使えるベスト型・簡易型のチャイルドシートもあります。
旅先やセカンドシートとしての利用に適しています。残念ながら2012年施行の新安全基準には適合しないため、販売が終了する見込みです。構造的にも安全性を追求したものとはいいにくく、あくまで緊急用のものですが、旅先や急にお友達を載せる時などに重宝する製品です。
国内のチャイルドシート
アップリカ・カーメイト・コンビ・タカタ・リーマン(あいうえお順)などが日本のチャイルドシートメーカーです。安全性に特化した構造的なノウハウは、ヨーロッパの方が歴史の蓄積もあり優れたところがありますが、快適性能の追求やファブリックの素材、縫製や樹脂加工の品質など、キメの細かさでは日本メーカーに秀でたものを感じます。日本のメーカーは大変に勉強熱心なので、日本から世界に誇るチャイルドシートが生まれる日は近いと思います。
海外のチャイルドシート
2012年6月までは、日本国内で認定を受けたチャイルドシートのほかに、海外からはヨーロッパとアメリカからの製品が準認定品として流通していました。 2012年7月からはヨーロッパの安全基準ECE R44/04が正式に日本の安全基準に採用されることになりました。アメリカの安全基準FMVSSは2012年以降不採用となりましたので、市場から姿を消します。一部のアメリカブランドはヨーロッパ規格を取得して国内に流通するようになってきています。
ヨーロッパはチャイルドシート先進国で、世界の多くの車メーカーにチャイルドシートを純正品として出荷しているチャイルドシートの専業メーカー ドイツ レーマー社が有名。ついでオランダ マキシコシも優れた製品を作っています。
チャイルドシートの着用義務は何歳まで?法律違反したらどうなる?
道路交通法により、2000年4月1日から6歳未満の幼児にチャイルドシートの着用が義務付けられました。新生児であっても、生まれた病院を退院するときからチャイルドシートを使用しなければなりません。適切なチャイルドシートを使用して、交通事故の被害から子どもを守りましょう。チャイルドシートを着用していないと、道路交通法違反になります。反則金などの罰金はありませんが、1点減点になります。レンタカーを利用するときも着用必須です。6歳未満の幼児を乗せる場合、チャイルドシートも忘れずに予約してください。
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