小さなお金を大切にする
著者は毎月一定額を貯める通帳のほかに、数千円の財布に残った端数を貯める通帳も作りました。「振り返ってみると、この端数の貯蓄が成功に導いたのかもしれない」と語っています。「チリも積もれば山となる」の精神で、小さなお金を大切にするその心が大事なのです。そして、著者は最初の1年間で300万円を貯め、ハタと気づきます。「今までこれを全部消費していたのか」ということを。最初の給料をもらったときに5000円でもいいから貯蓄していたら、貯蓄の習慣もできていただろうに、すぐに全額消費してしまったその時点からボタンを掛け違えてしまったことに気づいたのでした。
ノートを作ってショッピングを抑制
収入の8割を貯蓄するという荒業にでた著者。消費をどう抑えたのか気になるところです。クレジットカードは使わない、しゃれたテイクアウトのコーヒーの代わりに自販機のコーヒー(後にそれもやめた)、携帯電話は受信のみで発信はメールを利用、禁酒禁煙、財布の小銭は貯金箱へ、などを実行したほか、次のようなものもありました。●節約ノートの作成
買いたいものができたらそれを買わず、その品目と価格をノートに記入しておきます。そのノートを見ることで、ショッピングを抑制したおかげでいくら節約できたか実感し、満足感に変えていました。
●今持っている服とかばんを総点検
せっかく買ったものも、活用しきれていないものがたくさんあることに気づきます。今あるものを活用し、新たな買物を抑制する効果があります。
●マインドコントロール
『私は「お金がなくて使えない」のではなく、あるのにもかかわらず「使っていない」のだ』と、考えるようにしたそうです。これなら惨めな思いをしなくてすみそうですね。
でも、「お金がある」と思うと貯蓄を取り崩してしまいそう、という人もいるのではないでしょうか。その場合は、やっぱり「私はお金がない」と思っていたほうがいいかもしれません。
目標に向かってがむしゃらにがんばる姿に共感
この本では、貯蓄のノウハウはところどころに載っているだけで、8割は仕事、結婚、恋愛を交えた日々の奮闘ぶりが日記形式でコミカルに描かれています。さすが放送作家だけあって、話題も豊富でスピード感もある文章で、つい引き込まれてしまいます。実は、著者は働きすぎ、節約のしすぎでお肌も体もボロボロになってしまったそうで、ここまでしなくてもいいのに、というほど痛々しい部分もあります。でも、がむしゃらに突き進んでいる過程で、自分と戦い、知恵を絞ったりしたことで、きっと多くの学びがあったに違いないでしょう。目標に向かってここまで必死になったことがあるだろうか、と自分自身考えてみると、まだまだ頑張れる余地があると自分の甘さに気づかされました。
訳者あとがきには著者の後日インタビューとして、このような一言がありました。
「ずっとシングルで過ごそうと、いつか結婚しようと、それとは関係なく、私は一生自分の夢と目標に向かって生きていく」
夢をかなえるという意志を強くもつことで、不可能と思えることも可能になると、教えられたこの本。著者の心意気、貯蓄のノウハウを、あなたの夢の実現にもぜひ役立ててみてください。
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