理論と実際
学資保険(のようなタイプの商品)は、保険と貯蓄が備わっている保険商品ですが、現在のような低金利下においては、支払い保険料の総額よりも受取り金額が少ない場合もあり、死亡リスクなどについて別の保険商品できちんとカバーされていれば、教育資金を作る目的のためにわざわざ保険機能のある商品を選ぶ必要はないはずです。
貯蓄商品の大きなメリットは、一般的には「換金がしやすい」ことですので、換金しにくい保険商品よりも自分でコツコツ積立てる方が、いざという時の資金にも使うことができ且つ教育資金にも使えるわけですから効率的です。
しかし、現実には、積み立てている資金をついつい使ってしまうこともあり、貯蓄商品のメリットである流動性がかえって「貯める」という行為には反対に機能する場合もしばしばあります。
利回り上は不利な商品であっても、「使えない」というくくりがあるために、結果的に貯めることができたという例が多いのも現実です。
頭で分かっていても、実際に理論どおりの行動がとれるかどうかは、人によって異なります。
「収入?貯蓄」は?
お金の貯め方マニュアルに、「使った残りを貯めるという方法(収入―支出=貯蓄)ではなかなか貯めることができないので、先に貯蓄分を差し引き、残りを使いましょう(収入―天引き貯蓄=支出)」という方法がよく書かれていますが、これは、人はいつも合理的な行動をとるとは限らないため、その非合理な行動を少しでも解消するためにと考えられた方法です。