貸すこと、売ることを考えてみる!
■万が一、人に貸すことを考えてみると……第一線で活躍しているDINKSにとって、突然の国内外への転勤の辞令を受けることがあるかもしれません。転勤中の一定期間、他人に賃貸することを考えたとき、都心のタワーマンションと郊外のこだわり住宅を比較してみましょう。借り手側から見れば、環境よりも利便性を重視する人の方が多いでしょう。それを考えると都心のタワーマンションの方が、通勤・通学や買い物などの利便性の面で優れており、郊外のこだわり住宅よりも借り手がつきやすいでしょう。
また、「ガレージハウス」のようなこだわり部分は、建てた本人にとっては、非常に価値のあるものかもしれませんが、一般の借り手側からすれば、「住まい」としての利便性を悪くします。「ガレージハウス」としての価値を売り物にする場合でも、市場が限定されるので、借り手はなかなかつかないでしょう。これは、売却する場合でも同じです。
■資産価値として考えてみると……
「戸建て住宅とマンションのどっちがトクか?」という議論になった時に、戸建て住宅は、年が経っても「土地」としての価値が残り、マンションは、30年後・40年後には、老朽化が激しくなって売っても値がつかないから、戸建て住宅の方がトクという意見の方が多いです。
実際はどうでしょうか? 下の表は、中古マンションの制約物件、新規登録物件の築年帯別構成比率です。今から10年以上前の1995年を見ると、中古マンションの制約件数の内、築30年超の物件の割合は僅かに0.2%であったのに対し、2005年を見ると11.7%になり、1割以上が築30年超の物件ということになります。もっとも、マンションが建てられ始めたのが1965年以降なので、築30年超の物件が市場に出回っていなかったという事情もあります。
<中古マンション築年帯別構成比率>
※(財)東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」 |
いずれにしても、「マンションは築年数が経過したら売れないので価値がない」というイメージは、戸建て住宅推奨派に植えつけられたものかもしれません。特に最近は、駅から5分以内の立地の築年数の長い中古マンションに人気が集まっています。購入した本人が住むというより、賃貸用の投資用不動産としての需要が増えています。そのため、販売価格もここ数年急上昇しています。利便性の高い、都心のタワーマンションならば数十年先の売却も十分可能でしょう。