資産運用/資産運用の注意点とリスク

実録!投資用マンションを手放すとき・前編

投資用マンションを買ったけれど、毎月のローン返済や諸費用の負担に耐えられなくなり、手放すことを考える人がいます。その経緯を見てみましょう。

久谷 真理子

執筆者:久谷 真理子

住宅購入のお金入門ガイド

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「もう、ムリだ。持ち続けられない」投資用マンションを買ったけれど、手放すことを考える人がいます。「せっかく買ったから」と、いちどはがんばって持ち続けることを考えてみるけれど、やっぱり維持するのは厳しい…なぜ? 原因は収支が合わないから。毎月のローン返済や諸費用の負担に耐えられなくなってしまうからです。どうしてこんなことになってしまうのでしょう?

【記事のインデックス】
ギリギリの収支計画……1P目
賃料が下がってしまった……2P目
ローン金利が上昇? ……2P目

ギリギリの収支計画

ローンの返済が終われば自分の生活を豊かにしてくれるはず!
ローンの返済が終われば自分の生活を豊かにしてくれるはず!
頭金1~2割程度で、マンション投資をする人が少なくありません。頭金が1~2割ということは、残りの8~9割をローンで調達するということ。毎月のローン返済も結構な額になるはずです。毎月の賃料からローン返済や管理費などの費用を支払ったら、どのくらい手元に残るでしょうか?具体的な事例をみてみましょう。

Fさんは、2,000万円のローンを組んで2,250万円で新築のワンルームマンションを購入しました。現在の状況は、毎月の賃料収入が97,000円で、そこから毎月約85,000円をローンの返済にまわしています。そのほかに管理費などを毎月約10,000円負担しています。

【Fさんの現在の状況】
収入…賃料97,000円/月  
支出…ローン返済約85,000円/月、そのほか管理費などの費用約10,000円/月

Fさんの場合、収入から支出を引くと、毎月手元に残るのは約2,000円。「将来的に収入になればいい」ということで、現在の収入は期待せず、はじめからギリギリの収支計画です。細かいことをいえば税金の負担などはあるものの、毎月の収支はかろうじて黒字なので、しばらくは、マンションを持っていることを負担には思わなかったとか。

「ローンの返済が終わる頃には、このマンションからの収入が自分の生活を豊かにしてくれるはず!」と思ってこのマンションに投資したFさん。ところが、2年経過後の現在、毎月の収支が赤字に転落!

次ページで赤字転落の原因が明らかに!
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