国と東京都がルールづくり
どんな事も話し合って、納得してから署名捺印を。 |
■国土交通省ガイドライン
「原状回復」とは、賃借人(お部屋を借りた人)が故意、過失、通常の使用を超える使い方で、こわしてしまった部分を直す事で、借りた当時の状態に戻す事ではない事を明確化しています。つまり、普通に使っていて消耗するものや時間が経てば変わってしまうものは家賃に含まれるので、それを賃借人の負担で借りた時と同じ状態にする事ではない、という訳です。
ガイドラインを契約の時の参考にするのはもちろんですが、既に契約がある場合は契約書が有効とされますが、契約した時に問題がある場合や、条文があいまいな場合も参考にしながら話し合いをするといいでしょう。ガイドラインは、裁判の事例などを加えた改訂版が平成16年に出ており財団法人 不動産適正取引推進機構で、1部900円で販売しています。
■東京都ガイドライン
東京都でも、賃貸の物件を借りる時に「原状回復」に関する説明を宅地建物取引業者に義務づけた、賃貸住宅紛争防止条例が平成16年10月に施行されました。
説明する内容
・退去時の通常損耗等の復旧は、貸主が行うことが基本であること
・入居期間中の必要な修繕は、貸主が行うことが基本であること
・賃貸借契約の中で、借主の負担としている具体的な事項
・修繕及び維持管理等に関する連絡先
条例施行と同時に作られたガイドラインは、1部290円で都内の大型書店で販売されています。また、東京都都市整備局のホームページからPDFファイルで見る事もできます。
トラブル防止と相談先
契約前にガイドラインで、「原状回復」について知っておくといいでしょう。契約書に書かれている事が、ガイドラインと違っていれば、大家さんや代理の不動産屋さんと話し合う事も出来ます。
入居前に、お部屋のキズ、壁の変色、設備のトラブル等をチェックし写真に残しておけばトラブル防止に役立ちます。出来れば下見に行った時にチェックして契約時に先方に一緒に確認してもらえるといいですね。
契約の段階から、退去時の精算まで、全て人と人の話し合いで決まります。お部屋を借りる人は、大家さんの大切な不動産という財産を借りる訳ですから、「大事に使います」という気持ちを全面に出し、入居中もまめにお掃除や手入れを。日頃から何かあったら、すぐに大家さんか管理会社と連絡をとる事も大切です。ガイドは毎回この方法で、100%敷金が戻って来ていました。
まだまだ昔ながらの慣習で、退去時はお部屋を借りた人に有無を言わさずクリーニング代などを請求するケースもあります。話し合っても、どうにもならない時は相談できる先がいくつかありますので、専門家の意見を聞いてみましましょう。
■東京都都市整備局不動産相談窓口
■宅建協会不動産無料相談所
■全国の司法書士会
■全国の消費生活センター