<107円台突入で、夜も眠れない!?>
2003年10月29日、ドル円相場が一時、1ドル107円88銭まで円高が進みました。これは2000年11月以来で、2年11ヶ月ぶりの水準となります。
今はすっかり株式相場の好調さにおされてしまっていますが、少し前までは「外貨投資を始めよう、外貨に分散しましょう」というムードが高まっていたように思います。
その時に外貨建て商品に投資をした人は、為替相場が円高に動いたことで夜も眠れない!という人がいるかもしれません。そこで、外貨建て商品に投資をする場合の為替の考え方について考えていくことにしましょう。
日本では長く超低金利が続いており、1年物の定期預金ではおおむね0.03%です。そのため雑誌等では、「外貨の預金金利は日本円で預けるよりも高いからオトク。外貨投資を始めた方がいい」とたくさん特集されていました。
実際に、当時はおおよそ115円~125円程度の水準でしたので、そのあたりで推移するという風に言われていました。当時のドル円相場は、相場のチャートを見れば一目でわかる通り円安基調でした。ですから、その当時に外貨投資を始めた人も多いのではないでしょうか。
しかし、現在は108円台を推移しているわけで、円高基調です。その当時に外貨建て商品に投資した人は、残念ながら明らかに為替差損を被っていることになります。
為替はいろいろな要素で動きます。「115円が円高の目安」などといろいろなところで当時も予測されていましたが、あっという間に110円をきってしまったわけですから、予測は予測でしかありえません。専門家でさえそうなのですから、我々のようなド素人が簡単に為替の動向を予測できるはずはないのです。それを肝に銘じておくべきだと思います。
次のページでは具体的に外貨建て商品への投資と為替の考え方の基本について考えてみたいと思います。