保険料を抑えるには自分自身で保障を見直すことが不可欠
保険料を抑えるには、ご自分にとって必要な保障は一体いくらなのかを考え、理解し、無駄を削ることが大切です。これまで販売サイドに言われるがままに契約したとしても、更新を迎えて焦る事態を迎えないようにしましょう。家族を守る大切な生命保険。決して安くはない生命保険です。自分で考えなくてはいけません。そして、それが保険料を抑えるために必要不可欠な第一歩です。
一生涯同じ保障額が必要なわけではない
ここからは、保険料を抑える方法をいくつかご案内します。まずは、万が一のときの備えや子どもの教育費を保険でカバーしようとしている場合です。必要な保障は年が経つにつれて減ってきます。子どもが1歳のときと、成長して独立まであと10年は切ったであろう高校生の子どもとでは、必要な教育費の総額が大きく異なることは容易に想像がつくと思います。
1歳の子どもはこれから20年以上も世話していかなければなりませんが、17歳の子どもは大学を卒業するまでの数年間で済みます。必要保障額は時の経過に応じて徐々に減っていくわけです。したがって、収入保障保険や低減定期保険のように、保険金額が徐々に減っていくタイプの保険を利用すれば、かなり保険料は抑えられます。
他社の保険も視野に入れて検討を
ぜひ、現在契約中の保険会社にこういったタイプの保険がないか、更新時に問い合わせて見てください。もし契約中の保険会社からNOの回答があった場合は、終身保険だけを残して他社で探してみることをお勧めします。どうしても、現在契約中の保険会社を変更したくない場合は、定期保険の保障額を必要最低限に減額していくことができるはずです。同じ保険会社でも必要な保障を確保しつつ保険料を抑えることが可能となります。
入院の保険(医療保険)はどうする?
終身保険だけ残して、大きな死亡保障である定期保険の部分を解約すると、入院の保険特約が一緒になくなってしまう会社がほとんどです。別途、他社で検討する必要が出てきます。しかし、安心して下さい。十数年前とは医療保険の種類も品数も豊富で保険料も安く、保険期間の長いものがたくさん販売されているため、必要な医療保険は見つかりやすいはずです。先進医療やがんについての保障も、かなり変わってきていますので、保険料が安くなったり保障が大きくなったりする可能性があります。
学資保険、養老保険、年金保険などの貯蓄型保険は?
これらの貯蓄性の高い保険は、保障というより貯蓄と考えましょう。ファイナンシャルプランナーなどお金のアドバイザーの中には、これらの保険は高額だからといって解約を勧め、代わりに安い掛け捨ての保険を勧め、保険料を何百万円も削減したと顧客にアピールしている方がいます。しかし、これは貯金と保険をセットにしていたものを貯金だけ辞めさせたのと同じ。それだけのことなのに、保険料を大幅カットと強調している人がいます。貯蓄型の保険を掛け捨ての保険とひとくくりにして説明する専門家には注意が必要です。
貯蓄型の保険も、古いものであればあるほど有利なケースがあります。もし支払い続けられるのであれば、銀行に預け替える必要はありません。継続をお勧めします。
もし、家計が厳しい等のやむをえない事情があれば別です。しかし、少子高齢化で今後の公的年金が厳しくなることが明白な中、将来に対する貯蓄は必ず必要となります。みすみす有利な貯蓄を捨てないよう、慎重に考えて保険を見直すことをお勧めします。
生命保険の更新時にあわてないための見直しポイント7つ
最後にまとめです。- 更新後の提案書、設計書が「転換」になっていないかどうかを確認
- 転換(新規保険の提案)の場合は、その提案は避ける
- 終身保険は基本的に継続。ただし、あまりにも保険金額が小さかったり、他社でも条件の良い商品があれば、解約という選択肢もある
- 数千万円の必要保障額があれば、年々減っていくタイプの保険に変更する(収入保障保険、逓減定期保険など)
- 保険会社を変更したくない場合は、現在の定期保険を毎年かもしくは数年に一度減額する方法もある
- 他社で入院(医療)やがんの保険を考える
- 貯蓄型の保険は貯蓄として割り切り、継続する方向で考える
保険料が上がったからといって、何も考えずに解約したり、減額したりすることだけは避けましょう。もしすでに入院歴があったり、病気になったりしていたら保険に入れなくなることを忘れないで下さい。保険の見直しは健康でなければできません。
また、更新時期になると保険会社は早期更新を迫るかもしれませんが、慌てなくて大丈夫。定期保険満了の期日まではきっと時間があるはずです。もちろん早くに手を打つことは重要ですが、じっくりと見直しに取り組んでください。