今までと違う将来が待っています。 |
オーソドックスな利用法
生命保険を設計するときに終身保険はベースすなわち基礎となる保障として利用されます。墓石購入費用やお葬式代、死亡時の一時的な整理資金として、500万円程度加入するのが一般的です。少ない人は100万円から、多い人は1000万円くらいでしょうか。これにはひとつ理由があります。
それは、過去、日本の生命保険会社がセールスレディを投入して売りまくった定期保険特約付き終身保険に端を発します。このサイトの読者なら良くご存じだと思いますが、この保険は100万円から500万円程度の終身保険に、3000万円から5000万円の10年から15年の更新型の定期保険を付けたものです。
そして、その後90年初め金融の規制緩和が始まった頃から営業を開始した外資系や損保系の生命保険会社の営業マンにより、定期保険特約付き終身保険の多くは「見直し」の名のもとに解約されてしまいます。この記事を読んで自分のことだと思う方も多いと思います。
その後、後進の生保会社の営業マンは合理的な設計の名のもとに終身保険をベースに保障が徐々に減っていく保険、逓減定期保険や、収入保障保険のセットを販売していきますが、このときのセールストークが「ベースとしての終身保険」でした。かくいう私もご相談の結果、ほとんどがこのタイプに収まります。それは今も変わりません。
ただし、実際のところ、保障として考えた場合保障が徐々に減って、その後500万円の保障だけが残っても本当にお葬式代だけで消えてしまいます。遺された遺族の老後の生活資金としては足りないのが現実。ないよりはましといったレベルで終身保険は役に立ちますが、これではせっかく加入しているのに「活用」されているとも言えません。