(いよいよスタートです)
この4月1日よりペイオフが解禁となりました。世間で色々な情報が溢れているのを見ますと、どれだけ皆様の関心が高いかが伺えます。そこで今回は「個人編」と題してお話をしてみようと思います。
ペイオフ対策は大きく分けて5つです。このクローズアップでは預金名義を分け預けると言う事で、1回目は親族の貸付の話、2回目は子会社の利用を解説しました。
1. 金融商品を分けて預ける
2. 金融機関を分けて預ける
3. 預金名義を分けて預ける
4. つぶれない金融機関を見抜き、そこに大きく預ける
5. 自分で保有する
(実務家が答える質疑応答)
以下は、個人の対策で受けた質問と私がお答えしたものです。
ここでは、ご質問者をAさんとします。この方は預金を6億2千万円お持ちです。親族は奥様・お子さん合わせて5人いらっしゃいます。
Q.老後の資金として定期預金で持ってきました。親族に貸す事を学びました。そこで親族の名義(5人)で5ヵ所の銀行に預けたとしても、2億5千万円にしかならなりません。残りの3億7千万円はどうしたらいいのでしょうか?
A.そうですね。まず、5つの対策の内の1つだけで解決しようとすれば無理があります。幾つかに分けて考えてみましょう。
1.そこでおっしゃる通り2億5千万円は5人の名義で5ヵ所の銀行に預けましょう。
2.5千万円を自分で保有することにします。これは銀行の貸し金庫が良いと思います。
3.それから、Aさんの場合、ご夫婦の将来のための大切な資金ですので、元本保証のない金融商品に預けることはできません。ということは金融商品を分けて預けるという方法は、かなり制約があるかと思います。
4.あと残る対策は「つぶれない金融機関を見抜き、そこに大きく預ける」というものになります。
(コツは複合的)
Q.ということはペイオフ対策は複合的に行うということですか?
A.その通りです。実務の上では「この方法が一番よい」ですとか、「この方法はだめ」ということではないのです。常にどの方法をどのくらい行うかということになるのです。比重の問題ということですね。Aさんの場合ですと、Aさん名義で2億8千万円は1つの銀行に預け、違う4つの銀行に1千万づつ4千万円預け、貸し金庫に5千万円保有します。残りは5人の親族で5ヶ所の銀行に1千万円ずつ合わせて2億5千万円預けるという方法がよいかと思われます。