まず、本当に全てを相続するとご長男は「億万長者」になれるのでしょうか?
金銭では測れない多くのことがあると思います。例えば、お寺、親戚、ご近所とのお付き合いや職業を自由に選べない、という不自由さがあります。
金銭面でも、例えば、お寺の住職さんが袈裟を新調する時の「袈裟代」やお寺の本堂を新築・増築するための費用の負担など、相続するものの中にはこれからの支払もあるわけです。全てを相続するというのは、プラスの財産だけではないということですね。
Q:次に、民法では、子供の相続権は平等であるとなっているのに、何故「本家相続」が認められているのでしょうか?
A:確かにおっしゃる通り、民法には「子供の相続権は平等」と記されています。法の解釈としては「均等が認められている」ということになりますが、私達実務家としましては、遺産分割をする際にもめてしまった時のガイドラインと認識しております。遺産分割の基本はあくまでも、「話し合い」によって決めるという考え方です。ですので「均分相続」より「本家相続」の方が多いというのが実情です。