先日、国税庁から2001年度の相続税物納申請状況についての発表がありました。そこで、今回は2つの特徴について相続の現場から推論してみたいと思います。
特徴1:2001年4月1日から2002年3月31日の物納申請件数は、5,753件で前年度の6,100件から347件の減少となりました。
特徴2:年度末の処理未済件数は10,194件となり、前年度の11,010件と比べ816件の減少となりました。これは前年度比7.4%減少したことになります。
(推論1)ではなぜ申請件数が減ったのでしょうか?
1つ目の理由は、相続対策を事前になさっている方が増えたので、物納しなくとも現金で相続税を支払えるようになったと考えることができます。
2つ目の理由は、物納するより高く売れる土地は仲介手数料を差し引いても得だと、土地を売られた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
3つ目の理由は、土地の評価自体が下がっているので、相続税が減少し、物納をしなくても済んだ、という方も増えたのかもしれません。
何れにしても物納の申請件数が減った事は、持っていた土地が無くならない方向ですから,納税者にとっては好ましい事です。