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どうする?遺産分割協議。手順とポイントを解説。(2ページ目)

遺産分割協議をどう進めるか?こうすれば必ず上手くいくという方法はありません。しかし、実務家として注意している点を手順とともにまとめてみました。遺産分割協議書の作成方法と見本付き。

執筆者:天野 隆

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5.調整と決断

打合せ
譲った人にツキは来る!
本家の希望をお願いすると、反応は様々です。さてこれから調整に入ります。その中で全体を考えて、自分の事を控えめに言われている方を探します。その方がキーマンです。そしてその方がどんな意見かよく聞きます。ここにヒントが隠されています。治め方のヒントになります。さらに人間関係を観察して仲間はだれか?誰の言う事を聞いているのか?ここを押さえます。そこを見て収拾案を出します。収拾案を個別に検討してもらいます。ここはそれぞれ譲らなければ決まりません。

どうして自分がゆずらなければいけないのか?理不尽さ、不公平感、非論理的であること、お気持ちは痛いほど分かります。しかし、経験上これだけはお伝えしたいことがあります。「譲った人にツキが来る」と言うことです。少し多めに譲った人の後の生活をみているとツイているようです。勝ち取った人はどうもツイていないようです。相続後もお手伝いしている私達から見て、そう思えるのです。天はどこかで見ているのかもしれません。譲るときの気持ちの整理に、この事実をお使いください。

6.期限

遺産分割に期限はありません。しかし、相続税の申告期限は、相続開始後10ヶ月です。それまでに、分割が確定しないと、未分割で申告することになります。そうなると、小規模宅地の評価減や配偶者の相続税額の軽減などが受けられず、相続税が高くなります(申告期限から3年以内に分割されれば、払い過ぎの税金が還付されます。)。ここで経験上一つ言えることは、10ヶ月の申告期限までに、分割協議がまとまらないと、一生まとまらないことが多いと言う事実です。まとまらないと相続財産は共有物になり、処分も建築も出来ません。そのうちに、相続人が亡くなり関係者が増えていくことがあります。そうなると、誰にとっても悲劇です。何とかまとめたいものです。遺産分割が確定しない場合のデメリットはこちらから

7.焼香

遺産分割協議が終了しますと最後に全員で焼香をします。いろいろありましたが無事終了した事を先祖に報告することになります。夜明けの決着と言うのも何回か経験しました。決着することが全員のためになるという信念です。遺産分割がスムーズに行く事を相続の専門家としていつも願っています。「もめないように出来ている」という言葉を最近は良く使うようにしています。信じるともめごとが少なくなるようです。

参考
遺産分割協議書の作成方法と見本はこちらから。

最後に

遺産分割がスムーズに行く事を相続の専門家としていつも願っています。「こうすればもめない」と言うことは言えません。そして分かりません。ただ少しでももめないように進めて行くのにはどうしたらよいかを実務家の立場から述べてきました。分割協議がうまくいくかどうかは遺された方の考え方・思い方で決まってくるようです。私達に出来ることは精一杯努力することと祈ることのようです。

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