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遺産分割が法定相続分通りにいかない理由

遺産分割の傾向を調べたところ、約3/4の確率で本家(同居者)が遺産を多く取得しているデータがあります。なぜ、同居者が遺産を多くもらうことが多いのでしょうか?

執筆者:天野 隆

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どうして同居者が遺産を多くもらうのか?
次男さんからの質問です。「先日、父が亡くなりました。相続人は、母と、本家を継いでいる兄の長男と、次男(私)の3人です。民法上の法定相続分では、財産は、母が1/2、兄が1/4、私が1/4になると思います。兄と私は1/4ずつ相続すると思っていたところ、どうも本家相続というものがあり、兄の方が多く相続するケースが多いと聞きました。本当でしょうか?」

遺産分割協議の傾向を調べたところ、約3/4の確率で本家(=同居者、このケースで言えば長男)が遺産を多く取得しているデータがあります。なぜ、同居している兄が遺産を多くもらうことが多いのでしょうか? 理由は3つあります。

理由1.過去の精神的負担を多く担っている

なぜ、同居者が遺産を多くもらうことが多いのでしょうか? それは、過去の同居による精神的負担があるからです。同居者の気持ちは、経験者しか分からないと言われています。
●出かけるとき。ご両親と同居の方は出かけるときにも、声をかけなければいけないことが多いようです。誘わなければならない時も多いです。

●おいしいものが届いた時。「こんなものが届いたよ。一緒に食べる?」と声をかけなければいけません。

●病気になったとき。同居者の病気の際には、どうしても他の家族で外出というわけにはいきません。

●旅行に行くとき。誘うことも必要です。お土産も意識するでしょう。

このように生活の様々なシーンで同居の両親に対する配慮が必要となります。これが過去の精神的負担です。そのことを非同居者としては配慮し、遺産分割協議では譲ることが多いのです。

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