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相続税の税務調査 税理士は敵か?味方か?

「隠し持っている預金のことを、税理士に言ってしまうと税務署に伝わってしまいそうです。言うべきでしょうか? 言わないほうが良いでしょうか?」質問を受けた私が驚く質問でした。

執筆者:天野 隆

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税理士に言ってしまうと税務署に分かってしまう?
毎年8月後半から相続税の申告をされた方のところに税務調査が入ります。税務調査の多くは、申告をしたその年の秋か、翌年秋に入ります。約4分の1の割合で調査が入ります。どちらかといいますと、税額が多いところに、調査が入る傾向があるようです。また、どちらというと添付資料が多いところへは、調査が入らない割合が多いようです。それは、「きちんと申告されている」と考えられるからです。

税理士に言ってしまうと税務署に分かってしまう?

「隠し持っている預金のことを、税理士に言ってしまうと税務署に伝わってしまいそうです。言うべきでしょうか? 言わないほうが良いでしょうか?」質問を受けた私が驚く質問でした。税務署に伝わってしまうというのは誤解です。税理士は事実を掴んだ上で、そのような申告をすると、納税者有利になるかアドバイスを行います。脱税の手助けは出来ません。しかし、税務署ではありません。税務署に分かってしまうかどうかのポイントは税務調査になります。厳しい相続税の税務調査を多く経験した税理士だけが、実務上のアドバイスが出来ます。

税務調査でよく指摘される名義預金

相続税の税務調査では、名義預金がポイントになります。名義預金とは形式的には配偶者や子などの名前で預金しているが、収入等から考えれば、実質的には被相続人のもので、それら親族に名義を借りているのに過ぎない預金をいいます。名義は被相続人のものでなくても、実質的に被相続人に係る預貯金と認められるものは、被相続人の相続財産に該当します。

お父様が亡くなり、お母様と子供達が相続をしました。その相続の5年前に数百万円がお父様の口座からお母様の口座に移されていました。税務署はお母様名義ではあるが、実態はお父様の預金であると主張します。税理士は、これは贈与であると主張します。これがスタートです。この主張をするために税理士は事実の把握という準備が必要になります。

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