相続・相続税/相続の手続き

葬儀後に必ずすべき5つの相続手続きとその流れとは

相続発生後に何かと手続きがあるなかで、相続税に関係する必ずすべき手続きがあります。これらは期限があるため、早めに進めることが大切です。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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やるべき手続きは5つ

相続手続きにはそれぞれ期限がある

相続手続きにはそれぞれ期限がある

相続が発生した直後は、気持ちの整理や四十九日法要などで何かと落ち着かないものです。しかしながら相続税に関係する手続きには期限があり、気付いた時にはすでに遅し、となってしまうことがあります。

今回は、なかでも重要な手続き5つを紹介します。

1. 財産リストを作成する

初めに行うべきは「財産リストの作成」です。まずはこれが無いと次にどうするかの判断ができません。被相続人の財産(プラスもマイナスも)をリストにして、何を持っていたかや、純資産額を特定しましょう。時期としては四十九日法要が終わった頃から始めるとよいです。

なお、金額の算定は一般の人には判断が難しいもので、間違ってしまうと後で取り返しがつかないことも。弁護士や税理士といった専門家に相談するほうが間違いありません。あわせて法定相続人の特定もお願いするとよいでしょう。

2. 相続放棄、限定承認

財産リストを作成した結果、マイナスのほうが多かったとします。「マイナスならこのまま相続したくない」という場合は、「相続放棄」や「限定承認」を3カ月以内に家庭裁判所に申請することで回避できます。

何もしないで3カ月が経過してしまうと「単純承認」したことになり、プラスもマイナスも全てを相続人が引き継ぐことになります。

なお、相続放棄は単独でもできますが、限定承認は(相続放棄をした人以外の)全ての相続人の共同申請が必要です。

3. 準確定申告

財産が特定できると、同時に被相続人の収入なども明らかになります。1月1日から相続発生日までの申告すべき所得がある場合には、4カ月以内に所得税の申告=「準確定申告」と納税が必要です。

準確定申告をすることで税金が還付される場合は、申告は義務ではありませんが、税金が戻りますので申告することをお勧めします。準確定申告で払った税金は相続税では債務に、戻った税金は財産となります。

4. 名義変更手続き

各相続人に財産を分配するには「名義変更手続き」が必要です。不動産や預貯金・有価証券をはじめ、多くの財産・債務について手続きをします。

まずは財産リストをもとに遺産分割協議書を作成し、誰が相続するか決めます。次に不動産登記や各金融機関などの名義変更を行い、各相続人へ分配を行います。

明確な期限はありませんが、後述の相続税が関係する場合はそれより前に行う必要があります。納税のための預貯金解約なら8カ月後位には、不動産を売却して納税するならもう少し早く、5カ月後くらいに名義変更を済ませておけば安心でしょう。

5. 相続税の申告

純資産額が相続税の基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、10カ月以内に「相続税の申告」が必要です。期限を過ぎてしまうと、相続税の本税だけでなく、加算税や延滞税といった罰金が加算されることもあります。

なお、申告は必要でも税金は発生しないケースもあります。相続税関係は難しい判断が多いため、相続税に強い税理士に相談するとよいでしょう。

相続手続きは、時間があれば自分でできることもありますが、判断が難しいものが多いため注意が必要です。また相続はデリケートな心の問題もあります。こじれてしまうと遺産分割どころか財産リストの内容まで他の相続人から疑われることも。無事に相続手続きを終わらせるためには、やはり第三者(専門家)に依頼することをお勧めします。

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