相続・相続税/相続・相続税関連情報

税制改正・自社株の納税猶予 概要・事例編(2ページ目)

2009年度税制改正で創設された自社株の相続税の納税猶予制度についてご紹介します。今回は、制度の概要と事例を基にどんな制度かを確認しておきましょう。

執筆者:清水 真一郎

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納税猶予額はどの位になるのか?
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納税猶予の計算の手順は、まず各人の相続税額を計算し、納税猶予の対象となる自社株の80%部分にかかる相続税を計算します。

遺産は10億円(自社株7億5,000万円を含む)。 相続人は長男Aさんと長女Bさんの2人。Aさんは自社株7億5,000万円を含む9億円を取得、Bさんは1億円を取得。被相続人は自社株を100%(自社株7億5,000万円)所有していました。

1.通常の相続税を計算
財産10億円に対する相続税 3億7,100万円(※1)
Aさん 3億7,100万円×9億円/10億円(取得割合)=3億3,390万円(納付すべき相続税)
Bさん 3億7,100万円×1億円/10億円=3,710万円(申告期限までに納付)

2.Aさんの特例適用株式等5億円(自社株7億5,000万円×2/3(上限))とBさんの1億円で相続税を計算
財産6億円に対する相続税 1億7,800万円

3.Aさんの特例適用株式等5億円の20%(自社株の80%部分(納税猶予を受ける部分)を控除した部分)の1億円とBさんの1億円で相続税を計算
財産2億円に対する相続税 2,500万円

4.上記2から3を控除して、特例適用株式等の80%部分にかかる相続税額(納税猶予額)を算出
1億7,800万円?2,500万円=1億5,300万円(納税猶予額)

∴Aさんは、納付すべき相続税3億3,390万円のうち、1億5,300万円の納税猶予を受け、残りの1億8,090万円を申告期限までに納付しなければならない。

(※1)相続税の計算方法
(10億円?7,000万円(相続税の基礎控除(※2)))×1/2(法定相続分)=4億6,500万円
各人が法定相続分で取得したものとみなして計算
Aさん4億6,500万円×50%(速算表の相続税の税率)?4,700万円(速算表の控除額)=1億8,550万円
Bさん4億6,500万円×50%?4,700万円=1億8,550万円
1億8,550万円+1億8,550万円=3億7,100万円(相続税の総額)

(※2)
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

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