都市部における地震災害
まだ記憶に新しい「阪神・淡路大震災」においては発生時間帯が被害状況に大きく影響しました。午前5時台という時間帯に発生したために、まだ就寝中という方が大変多かったことと思われます。さらに耐震性の低い木造家屋が多数存在したために、倒壊する家屋になすすべもなく被害を受けるという状況が発生してしまいました。また耐震性の高いと思われていた公共建築物(特に高速道路の橋梁)が大規模に破壊されるという現象が発生しました。コンクリートのビルディングも数多く倒壊し、建築基準の大幅な改正につながりました。この後、建築基準法によって耐震性は飛躍的に向上しているため、この後阪神・淡路大震災クラスの地震災害が発生しても同様の現象は起こらないのではないかとも言われています。
もう一つ、それよりさらに70年も遡って、史上最大の死者行方不明者を発生させた「関東大震災」では時代的に木造家屋が多く、大規模な延焼により「火災旋風」が発生、本来安全であると考えられる広場などで数万人規模の焼死者が発生しています。
阪神・淡路大震災時にも大規模な「地震火災」の発生により、被害者数は増加していることを考えると、今後の都市部での地震災害におけるリスクの中心は「火災の発生」が主体であると考えてもいいでしょう。現代の建築基準による建築物の中で倒壊して圧死する確率は非常に低いですが、どんなに頑丈で堅牢な建物の中にいても火災による延焼からは逃れられません。
地震火災は同時多発的に発生するため公的な機関による消火は期待できません。「自主的」な消火のできる準備と、万が一の場合の避難ルートの確保をあなたは出来ていますか?
その違いはあなたの「被害リスク」の大きな違いとなっていることを意識することがとても重要なのです。