大鍋で作ったパエリアですが、1人前は意外と小盛りです。おいしく食べられる「量」があるのですね。(スペイン) |
不思議なことに大人数の公衆衛生学調査では確かにこうなるのです。でも過去の食生活を見る「後ろ向き研究」ですから、痩せてる人の食習慣を調べたら食事の回数が多かったというだけかもしれません。太ってる人に真似して1日6回食べなさいと言えばどうなるかは全く分からないのです。これを解明しようとするのが「前向き」研究ですが、まだまだです。
特に女性ではかえって太ってしまうようですからご注意を。胃袋が小さいから自然と何回も食べている女性と、やたら丈夫な大きい胃袋の持ち主とを同じレベルで考えてはいけません。しかし、この研究にはたくさんのヒントがあります。小食が習慣になれば、胃袋が小さくなるようなのです。
1日3食! ヘルシーな食事を食べるには?
栄養士もあなたの妻も母親も、1日3回野菜たっぷりのヘルシーな食事をきちんと取りなさいと言います。そして医師もジムのコーチも、規則的なエクササイズがいかにあなたのフィットネスに大切かを口を酸っぱくして忠告してくれます。でも仕事に追われる毎日です。自分で3度の食事なんか準備できるわけも無いし、毎日30分のエクササイズの時間も、とてもやりくりできません。
じゃあ、どうする? 最新の研究では食事もエクササイズも、回数を増やして一日の帳尻を合わせればOKなのです。小サイズの食事を何回も取るのは意外と栄養学的に合っているようですよ。ショートタイムのエクササイズを度々する。これもフィットネスと健康にプラスになります。
食餌の動物実験を見てみましょう。まず動物をいつでも好きなだけ食べられるようにしてみます。次いで、人為的に食餌時間を決めてそのときだけ腹一杯食べさせます。そうすると、一日に食べるカロリーは同じでも、なぜか自由にモグモグしているほうがコレステロール値が低いのです。科学者はかなり前から知っていて、人間でも同じ結果が出ていたのですが、研究が少人数で短期間であったため説得力に欠けていました。
でも、イギリスで行われた45歳から75歳までのボランティアによる研究が、実際の生活でもそうなることを証明しました。全員に、食生活やエクササイズのパターンや日常の健康への留意点などを申告してもらい、血液や体重測定を行ったところ、意外なことが分かったのです。それは1日の食事の回数が多いほど、摂取カロリーは多いのに、血清コレステロール値が低かったということです。
コレステロールの数値の相違はたかだか5%なのですが、これは各自の運動量や体重、タバコなどの因子を取り除いても常に一定していて、統計学的にも明白です。
結論として研究者が見つけたのは、1日6回あるいはそれ以上食べる人のコレステロール値が、1日1食あるいは2食の人に比べて心疾患のリスクを10%~20%も軽減することが分かりました。
フランスでも同じ結果でした。
2002年にフランスで行われた330人の男性の調査でも食事の回数が多い人の方が体脂肪率が低かったのです。1日1回あるいは2回しか食べない人のBMIは26.2、そしてウエスト対ヒップの割合は平均値として0.95でした。
このことは過体重グループを意味します。
これに対し、1日5食の人達はBMIが24.5(ノーマルです)ウエスト・ヒップ比が0.93でした。食事の回数が多い人はスマートなのです。
最近行われたマサチューセッツ州の住民調査でも、1日4回以上食べる人は、食事の回数が3回あるいはそれ以下の人に比べて肥満の率が45%も低かったのです。
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