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ラップ・アカウント(SMA)って、なに?

証券会社等が顧客のおおまかな希望条件を聞いて、お金を運用する口座がラップ・アカウントです。具体的には、個人投資家のリスク許容度や期待収益に合わせて、投資信託の組み合わせを提案しています。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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投資の原則は、分散、長期、複利運用でしたね! ならば、日本株だけでなく海外の株や債券などにも分散投資をしたい。しかし、いったい何から手をつけたらいいのか?

【関連記事】投資の3原則は、分散、長期、複利運用!

そんな投資ニーズに応えようと、証券会社等ではラップ口座を提供しています。ポートフォリオ運用をする人のための上級口座です。元来は富裕層向けのサービスでしたが、最近は小口化に向かっており資産額のハードルは低くなる傾向にあります。とはいっても、最低投資額が1,000万円以上ですので、だれにでも必要な情報ではありませんが…。

ラップは投資一任契約 SMAとも

写真のタイトル
ラップは投資資産をひとくるみにする
ラップ口座のラップは、英語のWrap(包む)からきています。食品を包むラップと同じ語源です。

最近ではSMAとも呼ばれています。Separated Management Account(包括的管理勘定)を略してSMAです。

個人投資家は、証券会社と投資一任契約を結びます。投資家が指示するのは、株の比率、リスク・リターンの度合いですが、あとは、証券会社の運用担当者がポートフォリオ設計を行い、相場の状況などをみながら実際の売買をしてくれます。

個人投資家が受けるメリットには、次のような点が期待されます。
○売買のたびに証券会社に出向く必要がなくなる
○手数料が安く収まるかもしれない
○専門家の視点を加えることで合理的な投資ができる

最大の特徴は、管理を任せる資産残高に応じて手数料がかかる点です。通常は、売買のたびに手数料がかかりますが、ラップ口座では口座管理料から売買手数料までがすべて含まれているので、年間コストが固定できます。

【関連記事】手数料は安ければいいというもんじゃない!

コストの観点から見た、ラップ口座のメリットは、個人投資家が自分でひんぱんに売買をした場合に比べると、手数料を低く抑えられるかもしれないということです。

証券会社の利益相反行為から守られる


ラップ口座を預かる証券会社は、資産額によって報酬が決まっていますから、回転売買を繰り返して報酬をかせぐという荒稼ぎができなくなります。それは、狼のような営業マンにとっては味気ない仕組みですが、良心的な証券マンにとってはありがたいことです。

なぜなら、売買を繰り返すことが、顧客の資産を増やすことでなく減らすことに貢献していたとすれば、これは「利益相反行為」として、証券会社は責めを負います。なので、良心的な担当者であれば、かえって「利益相反」と取られることを怖れ、必要なときですら売買をすすめられないという呪縛におちいることもありました。

このラップ口座なら、そのような「利益相反」が起こりませんから、担当者は遠慮せずに売買やリバランスをすすめることができます。

コストを固定して、個人投資家と金融機関の良き関係を築こうとするラップ・アカウント。どんな金融機関でどんなサービスが提供されているのか?詳しくは、次のページで!
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