山梨8湯
今回の山梨行きは以前からなかなかの温泉雑誌だなあと思っていた「自遊人」の取材で山梨の温泉を全部再訪で行った。源泉の個性が良く出ている温泉が多く、どれも感動的である。山梨はヌル湯でもその源泉を大事に使い、熱い湯はそれなりに使うという素晴らしい温泉が多く全国の温泉宿、温泉施設は見習ってほしいと思う。
1山口温泉 (再訪) 泡付き多し
山口温泉は6年ぶりの再訪である。ヌル湯のままで泡付きの湯は以前の訪問通りであった。湯口は白濁して気泡が湯中に滞留している。総計1389mgの食塩重曹泉で温度が41.6度と絶妙である。そのため気泡が良く源泉に残り大きな浴感となっている。山梨の甲府盆地はほんとうに良い湯が多い。そしてそこで生活している人も恵まれている。熱い湯が好きな人はフカサワに行きヌル湯ならば正徳寺やこの山口に来るという。当然掛け流しで気泡によるつるつるがある。また甲府駅前、湯村、大滝、国母、遊亀、草津、山宮、神明、湯王、黄金、碇、玉川、ゆでん館、玉穂町、若草、竜王、石和、春日井など思いつくだけでも素晴らしい温泉群がありこの盆地に温熱が豊富なことが分かる。ほとんどがモール系の褐色の湯であるがこの山口温泉はモールよりも硫黄泉の感触が強くなっていて硫黄泉好きには垂涎であろう。この傾向は碇や甲府駅前にも続いている。ほぼ透明ながら薄黄色、少甘味+微たまご味、少金気臭+微硫黄臭と観察した。泡付きが多くすぐに付くので、取り去る時のつるりとした感触は、温泉の新鮮さを良く現していて好きである。良い温泉であった。
2フカサワ温泉 (再訪) 泡付きあり
46度の温泉で前の山口温泉との5度の差は温泉にとって非常に大きいものである。というのは温泉は掛け流しが当然でそれ以外は準温泉と言っても良いとまで思っている私には、この5度の差は観察上、体感上、嗅覚上、味覚上すべてに大きく違った側面を見せる。しかし分析表の数値は分析上の誤差程度である。山口と比べると良し悪しは別として、こちらは個性の際立った湯である。薄褐色透明(琥珀色)、少苦味、弱い臭素臭+モール鉱物臭あり。と観察した。ここも掛け流しで湯口が気泡で白濁しているし、泡による取り去るときのつるりとした感触も同じである。しかし湯から感じる個性はまったく違うように記憶された。ここも良い湯である。含食塩重曹泉の46.4度、総計1402mgで含有成分は重曹が強くなっている。熱い源泉多量に掛け流しの浴槽がよく泡つきも匂いも強い。しかし露天風呂が落ち着く温度になっている。それほど濃く感じなかったが有機物は5mgと記入されていた。硫黄分はない。