温泉/九州の温泉

国内屈指の共同湯天国、人吉温泉 霧島と人吉周辺の温泉3(2ページ目)

鹿児島の温泉巡りは県境を越えて熊本に入る。人吉周辺の未湯をかせぎ、午後からは人吉温泉の白眉、秀逸な共同湯巡りに突入した。

執筆者:郡司 勇

翌日  
1 山江温泉  健康センター 
   
人吉の郊外の村の温泉施設。人吉ICのすぐ北側は山江村と相良村になっている。鉄筋コンクリートと木造の混構造の凝った建築の温泉センター。高い吹き抜けの木造の小屋裏や六角形のコンクリート浴室は現代建築のよい設計である。湯は含食塩重曹泉の47度で透明、無味、無臭の清澄な温泉。オーバーフローを多く取った半循環と観察した。人気があるようで増築工事中であった。

2相良村温泉  茶湯里 
   
人吉から湯の前町には広域農道のフルーツロードなる綺麗な道があり快適に進む、昔ながらの町割りで相良村、須恵村、免田町、上村など小さな自治体がたくさんある。この茶湯里は立派な温泉センターで凝った木造の大きな施設である。総計1055mgの純重曹泉。46度で弱く掛け流し半循環になっている。薄い湯ながら個性を損なわずに使われ、弱いつるつるもあり薄い緑色透明、無味、無臭であった。

3須恵温泉   農村研修センター 規定外

須恵村の役場近くの温泉施設であるが規定に達していないようだ。村が掘削してそこから引き湯しているそうであるが透明、無味、無臭、循環であった。内湯のみの小さな施設で田と山の展望がよい風呂であった。


4上村温泉  薬師湯   
 湯口硫黄臭 新鮮な源泉を思い起こす湯口 

一般的町営温泉施設という外観である。湯も一般的であり循環であるが湯口に行くとボーリング現場に行ったような匂いがし、急にそこにへばりついて深く観察した。浴槽は半循環であるが湯口からは新鮮な温泉のみにある弱いほとんど感知すれすれの硫黄臭があり源泉ノッチタンク入浴を連想させてくれた。40.1度の単純泉であるが湯口に源泉そのままを時間を経過することなく注いでいるのであろう。温泉センターでもたまに弱い個性を感知して楽しいものである。やはりかなり多めにオーバーフローを取っているのが後で写真により判明した。やや甘いが和気湯や犬飼共同湯と同じ評価とした。


5錦町温泉   センター  

町役場裏の温泉センター。公民館のなかにある温泉といった雰囲気である。41.2度の単純泉で透明、無味、無臭、オーバーフローを取った半循環でつるつるより弱いすべすべといった感触の湯。

6神城温泉  
 竹林露天風呂の風情点+5

国道221号と219号の交差点近くの日帰り温泉施設。41.2度の単純泉で総計732mgのもの。和風の雰囲気を持たせており風雅で好い。洞窟風の内湯と竹林を眺める露天風呂があり特に後者の風情は落ち着いてよい。一般客には好評であろうと推測した。 

7人吉温泉  しらさぎ苑  
 人吉はこんなによい湯であったか

人吉の市街地の温泉は多数あり規模は小さいながら別府並みの密度を持っている。公衆浴場は26ヶ所を数え、41ヶ所の宿泊施設のうち温泉を所有している宿は18ヶ所という数がある。5ヶ所ほど重なっているがそのほとんどは独自源泉が多いという一大温泉郷になっている。現在12ヶ所しか入っていないが人吉温泉のはしご湯は非常に楽しかった。一部モール系の単純泉があるが硫黄臭のあるものやつるつるの重曹系もあり含蓄のある泉質分布を示している。しらさぎ苑は田のなかにある小さな城館といった外観でしゃちほこの付いた屋根と白壁が民芸調である。しかしやや時間を経過した趣は落ち付いていて良い。鯉料理を出す料亭として営業している。浴場に入ると木枠の浴槽と木造小屋組みの落ちついた浴室である。手を入れてない自然のままと言った緑の庭が眺められ、清楚で良い。湯が新鮮でよかった。湯口は気泡で白濁している。入浴するとその気泡が付着し真っ白になる温泉であった。気泡のためのつるつるで浴感もある。さらに湯口では油臭が漂いこの温泉の評価を高めた。透明、少苦味、油臭であった。単純泉の名湯であろう、持てる個性を弱いながら発揮していた.浴舎の雰囲気、湯そのものともに満足の行く温泉で大当たりであった。しかし次の温泉でさらに喜ぶことになった。
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