文章:越智 三起子(All About「フランス語」旧ガイド)
La Sant-Valentin(ラ サン ヴァランタン/バレンタインデー)といえば日本では
chocolat(ショコラ/チョコレート)で愛の告白というのが定番ですが、フランスはもちろんのことヨーロッパでは、恋人同士がプレゼントを贈りあういわば「愛の日」。
ところでフランス語で
faire l'amour(愛をつくる)といえば、セックスをするという意味。今回はそんな日にちなんでベルギー人の
sexologue(セクソローグ/性科学者)
Sabrina BAUWENSさんと共に真面目にセックスについて考えます。本記事は、ポッドキャスト
Chocolatとのコラボとなっておりますので併せて音声、関連単語についてもお勉強してみてください。
セクソロジーって何?セクソローグってどんな職業?
越智:まずは
sexologie(セクソロジー/性科学)について教えていただけますか?
Sabrina:la sexologieとは、ラテン語のsexusとギリシャ語のlogosという単語に起源をもち、
discours sur le sexe(性についての言述)という意味を持つ言葉です。
la sexualité humaine et de ses troubles(人間の性行為やそれに伴うトラブル)が研究対象です。
越智:では、sexologueという職業に関しても、もう少し詳しく教えていただきたいんですけど。
Sabrina:sexologueという職業は、ベルギーでは大別すると3つのグループにわけられます。
例えば
trouble de l'érection(勃起障害)などを医学的立場から取り扱う
les sexologues médicaux(医学的セクソローグ)。
médecins(医者)、
gynécologues(婦人科医)
urologues(泌尿器科医)などがこの任務にあたります。
次に、生物学的・性科学的・文化的立場から様々な分析を行う
les sexologues éducatifs(教育的セクソローグ)。さらに、
sexothérapie(セックスセラピー)を行うことで
psychique(精神的な)問題にメスを入れる
les sexologues cliniciens(臨床的セクソローグ)。私はこの最後の分類にあてはまります。
セックスについて語ることはやっぱりタブー?
越智:日本でも「セックスセラピー」なる言葉は耳にすることがありますが、やはり自分の
la sexualité(性的行動)についてあからさまに語るということは一種のタブーという認識があります。その点に関してはヨーロッパ諸国の方がおおらかというイメージがあるのですが、実態はどうなんでしょう?
Sabrina: おそらく
mentalités(メンタリティー)としては、日本と変わらないのではないでしょうか。ここヨーロッパでは「たくさんのsexologuesがいてみんなが相談に行く」とは思わないでください。やはりこの領域について語るのは
un gros tabou(一つの大きなタブー)であると考えていただいていいでしょう。
ヨーロッパにおいてもこの風変わりな職業は、現代社会において非常に重要であるにもかかわらずあまりよく知られていないのが現状です。今回のようにインタビューを求められることもしばしばですよ。(笑)
越智:ただ、フランス語で書かれている雑誌などのメディアを見てみると、
sexe(セックス)をテーマとする記事はかなりの数にのぼるように思います。こういう単語は、なかなか教科書にはのっていないので辞書がフル活用ですけど。
Sabrina:確かに。sexeについて耳にしたり、読んだりしない日はありません。雑誌は、恋愛状態継続の秘訣や、より充実感あふれるセックスなど多くのテーマを提供しています。ただ、内容としては読者をパニックに陥れるようなものであったり、利益目的にくだらないことを書いてあるものも多々あります。
読者はそうした間違った情報を信じ込み、しかもそれについてあえて話すようなことはない。この悪循環が人々を苦しめ、だからこそ、私たちのような職業が必要となるのです。
女性のsexualitéは、私たちにとってときに複雑なもののように思われます。どんな風に探検したらいいかわからない「灰色の大陸」とでもいえるでしょうか。 とはいえ、それは
mine d'or(金鉱)のようなもので、一度正しい道をみつけてしまえば、そこには多くのすばらしい発見があるものです。La Sant-Valentinでもありますし、よりよいカップルをめざしてぜひとも真摯にsexeについて考えてみてください。
次ページでは、
「愛をつむぐために私たちができること」についてSabrinaさんからメッセージをいただきました。