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▼論点:昨今の顧客アプローチに見る誤り 「囲い込み」という言葉に疑問?

顧客「囲い込み」という言葉。囲い込みって何だ?顧客をとらえて離さない、そんなことは可能なのかという疑問から、顧客との関係をもう一歩踏み込んで考えてみよう。

執筆者:藤田 幸江


※本記事が役に立つと思われる友人・知人・同僚の方がいらっしゃいましたら、どうぞお知らせください。>こちらから。


◆ 顧客「囲い込み」って何?

ネット上での議論の中で、顧客へのアプローチにおいて「囲い込み」行為を有効なものとして提案することへのうそっぽさについて語られていた。

ユーザーは企業の思惑とは逆に、囲い込まれたくないと思っており販促のメール等についてほとんど迷惑と感じている、企業が考えているほど顧客は企業との距離を縮めたいと願ってはいないといった点で、「囲い込み」という言葉に対して欺瞞が感じられるというものだ。

ネット関連に従事している人であれば、「囲い込み」という言葉をこれまで幾度となく聞かされているので、辟易しているだろう。かつては旬のキーワードであったかもしれない。けれども旬があるものは、必ず時間の経過とともにその実態は色あせる。

オールアバウトのスタッフさんも下記のように言っておられた。

確かに「囲い込み」はもう古いですね。それでも、せっせと使えもしない「なんちゃって見込み客」のe-mail アドレスを集めている会社、まだまだあります。

個人情報を集めてはみたものの、さて、はて、どうしよう?という企業へむけて、個人情報のリストへ向け、購買行動を「喚起する」ことをキーワードにしたコンサルティングが先端では動いているようです。


さすが、凡人よりも1周先を走る精鋭集団では、「囲い込んだけれど効果がみえない」と悩む者へのソリューション提案にぬかりなく迅速に取り組んでいるのだ。

そもそもこの「囲い込み」とは、どんな行為を指しているのだろうか。かく言う私自身も、すこし前までは執筆の中で何の抵抗もなくこの言葉を使用していたので、反省を促される点もあった。

そこで、今後の自分自身のワーディングのためにも、「囲い込み」についてじっくり考えてみようと思いついた。

まず「囲い込み」という言葉の意味を明確にしてみる。囲い込むは、“囲う”という動詞と“込む”という動詞からなる。辞書で意味を引けば下記のようなことが記されている。

囲う…外部との交通(流通)を妨げるために、何かでまわりをおおう
込む…何かの中にほかの物を含めること

ふ~む、“外部”という言葉を“競合”に置き換えると、“囲う”の目的がはっきりしてくる。ユーザーの目を、他社に向けられないよう自社の製品やサービスのみに注目させなければならないのだ。そのためには、“何かでまわりをおおう”ことをして逃げられないようにし、次々と獲物をとらえてゆかなければならない。

“おおう”ために使われるものは何だろう。

江戸時代だったら「鎖国」という手もあったかもしれないが、現在のグローバル化が進み、ましてや仮想世界のこと。外にいいものを見つけたら、規則を犯してでも浮気をしたくなるのが人情というもの。価値観が多様化し変化の激しい時代に「囲い込む」という策自体が時代錯誤なのかもしれない。

ネット上ではクリックひとつで移動が可能なのだから、もともと忠誠心が成り立ちにくい。もはや“囲う”ということは、物理的にも心理的にも不可能だということに気づく。
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