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持ち運べるスキャナScanSnap S300を使う(2ページ目)

PFUからエントリー向けの小型両面スキャナScanSnap S300が登場した。USBバスパワーでも駆動し、ノートパソコンと組み合わせれば、どこでも書類のデジタル化が可能な製品だ。

上倉 賢

執筆者:上倉 賢

ノートパソコンガイド

ドキュメントスキャナとは

ScanSnapはドキュメントスキャナであり、紙の書類をオートフィーダーにより両面を自動スキャンする製品で、写真など高精細なスキャン能力を必要とするフラットベッドタイプのスキャナとは利用目的が異なる。そのため、フラットベッドタイプが最高4,800dpiなど高解像度なのに比較し、ドキュメントスキャナは600dpi程度(カラー)とスキャン性能が大きく異なっている。

実際に紙の書類をスキャンした場合、600dpiは1インチ(2.5cm程度)あたり600ドットで読み取るため、1ドットが0.04mm程度となるで肉眼ではほぼ判別不可能な精細さで読み取れる。
A4の一般的な書類はこの程度で読み取れば、オーバースペックとも言えるほど小さな文字も判別可能で性能的には何の問題もない。
だが、プリントした写真やネガなどスキャンする場合、より高精細な方が綺麗なため、写真などをスキャンすることが目的の方は、ドキュメントスキャナではなく、フラットベッドタイプのスキャナを選ぶのがよいだろう。(その方が安いし)

PFU ScanSnap S300 PFU ScanSnap S300
サイズの参考 4:3の12.1型液晶B5ノートに比較し横幅は広い。高さは単三乾電池に近い。

ScanSnap S300を使ってみる

ScanSnapの場合、読み取り画質は4段階あり、150dpiのノーマル、200dpiのファイン、300dpiのスーパーファイン、600dpiのエクセレントの4種類(カラーの場合)。さらに画像の圧縮率が5段階となっていため、全部で20段階から画質を選ぶことが出来る。

画質の違いで読み取り速度も異なるが、150dpiのノーマルで8枚/分、600dpiのエクセレントで0.5枚/分となっている。
速度も異なるが、画質を変えることで、読み取り後のファイルサイズも異なってくる。当然のことながら画質が高いほどファイルサイズが大きくなる。

圧縮率圧縮率高(低画質)圧縮率中圧縮率低(高画質)
ノーマル1.8MB
ファイン2.9MB
スーパーファイン2.1MB5.4MB14.9MB
エクセレント20.5MB
カラーの書類5ページ(カタログと表を中心とした書類)を読み取った場合。

書類の内容にもよるが、画質とファイルサイズのバランスがよいのがスーパーファインで圧縮率中(設定の3)だ。
重要な書類や、ファイル容量に余裕がある場合など画質を高めるのもよいが、その場合、現時点で一般的に使用しているPCではデータが大きすぎ、表示やページ送りなど操作性が悪くなってしまうため、あまりおすすめできない。
動画などを扱わなければ、HDD容量も余裕があると思うが、紙の書類をデジタルデータに変換する場合、容量だけではなくスキャン後の使い勝手も考えた上で画質設定をする必要がある。

設定にもよるが、スキャン後にOCR機能を使い、画像の上に認識した文字を透明テキストで追加できる。Core Duo 1.83GHzのマシンで試してみたが、認識に1ページあたり10秒程度の時間がかかる。認識率は画質にもよるがエクセレントで80~90%程度あるようだ。完璧ではない物の、単なる画像としてだけではなく、PDF書類内のテキスト検索が可能になるため、利便性は非常に高い。
スキャンする場合は時間がかかってもOCR機能を有効にするのがよいだろう。

ScanSnap S300の機能を生かす

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