デスクトップPCの方がいいだろ(多分)　ノートPCを選択する理由

持ち運び用途等で選ぶ人は当然のこととして、液晶モニタも安くなった今、机に置きっぱなしの用途でも、ノートPCを選ぶ利点とは何でしょうか?

● ノートPCの特徴とは何か?

1. 通常のデスクトップPCではバラバラの本体、キーボード、画面、ポインティングデバイス等の機能がノート型のPCでは一体となっている。
2. バッテリが内蔵されおり、電源の無いところでも使える。
3. 液晶画面が蓋になって、蓋を閉めれば大きな書籍や雑誌の様になり持ち運びやすい。

ざっとまとめると以上だと思います。
価格はCRTモニタのデスクトップPCが安いですが、省スペースPCに液晶モニタを組み合わせると、低価格ノートPCと同じくらいになりますが、ノートPCはデスクトップPCより割高であると言えるでしょう。

● 設置面積比較

省スペース型のPCとノートPCの設置面積を比較すると次のようになります。(寸法はおおよそです)

省スペースPCの例 (hp pavilion)

A4ノートの例 (DELL Latitiude C610)

ノートPCでマウスなどを使ったり、CD-ROMドライブなどが横から出し入れする形式の場合、更に幅が必要になりますが、省スペースPCでもノートPCの2倍近い設置面積が必要で結構場所をとります。ちなみにプリンタはA3用紙程度の設置面積が必要ですので、省スペース目的でノートPCを購入しても、年賀状くらいにしか使わないプリンタで場所をとられるのは間抜けです。

● ノートPCの欠点

ノートPCは一体型であるがゆえに、設計、製造に強度な技術を必要としています。その点デスクトップPCは、高度な技術力の無い、街の電気屋や個人でも部品を組み合わせるだけで、簡単にオリジナルPCを作れるくらい簡単に組み立てることが可能です。省スペースPCはそうも行かない部分がありますが、ノートPCに比べれば高度な技術は必要とされません。 高度な技術が必要なノートPCはノウハウを持ったメーカーがそれなりの技術で設計、製造しますので、設計の良し悪し、部品の性能などでメーカーはもちろん、機種ごとの性能、品質の差が激しいです。一体型であるがゆえに拡張性が低いので、部品を交換することなども困難です。
また、液晶はノートPC用の特別なものが使われており、色数、色の再現性、明るさ等に問題があることが多いですので、プロがグラフィックデザイン用に使うにはちょっと厳しいかもしれません。もちろん個人ユーザーがデジタルカメラの画像編集など趣味的な用途で使うには必要十分な性能があります。
小型の筐体に小さなスピーカーが搭載されているノートPCの音は悪いので、もしも音楽などを楽しみたいと思っているのなら外部スピーカーやヘッドホンのお世話になるでしょう。
デスクトップPCと最も違うのが、PCとしての性能です。ノートPCに使われる部品はノートPC専用の部品が多く、デスクトップPCのそれと比較すると、性能自体は低いものが多いです。たとえばプロセッサ(CPU)は、デスクトップPCの数割下、HDDも数分の一の容量、ビデオチップも半分程度の性能など、明らかに低い性能しかありませんが、スペック至上主義ではない今、それが圧倒的な差になっているかどうかは疑問の部分もあります。

● ノートPCの利点

ノートPCは持ち運びが可能です。出かけるときの携帯性はもちろん、室内などでの可搬性も優れているので、普段は書斎で使っているノートPCをリビングに持っていったり、オフィスで使っているノートPCを会議室へ持って行ったり等の使い方も簡単にできます。
また、ノートPCの消費電力は最大でも60W程度でCRTモニタを使用したデスクトップPCの300W程度に比べると格段に低いので、電気代はもちろん環境にもやさしいです。
消費電力が少ないということは発熱も少ないということですが、大きなファンが取り付けてあり、音のうるさいデスクトップPCに比べると小さいもしくはほとんど音が無い製品が多いです。(なかにはうるさいかったり、放熱処理に問題がありキーボードが熱くなったり使いづらいものもあります)
ノートPCの利点でもあるバッテリ搭載は、机の上に置きっぱなし用途では意味の無いものだと思っている方もいるようですが、無停電電源装置代わりに使えますし、運用方法によってはさらに電気代削減も可能です。(昼間はバッテリ、安い夜間電力で充電など)(ただしバッテリは消耗品です)

以上のことから、性能や拡張性よりも、少々価格が高くても携帯性や可搬性を重視している方には、デスクトップPCよりもノートPCが適しているといえるでしょう。