貯蓄/平均貯蓄額などの気になるデータ

都市別の平均貯蓄額ランキング!TOPは今年もあの都市!【2019年5月発表・最新家計調査】

2019年5月発表の総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年」によると、二人以上世帯の全国平均貯蓄額は1752万円。一部の富裕層や都市部が平均を引き上げているのでは?と思ってしまいますが、意外な都市が平均貯蓄額のトップに。生活実態とあわせて自分の貯蓄額を比較してみるといいでしょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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エリア別・都市別に見る平均貯蓄額2019!

2019年5月に発表された、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年」によると、二人以上世帯の全国平均貯蓄額は1752万円(中央値1036万円)で、勤労者世帯に限ると、平均貯蓄額は1320万円(中央値798万円)という結果でした。

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『年収が高くても貯蓄できる訳ではない?』

こうした平均値は、一部の富裕層や東京、大阪などの都市部のデータによって引き上げられていて、地方では、生活実感とかけ離れている、と考えてしまいます。しかし、地域別、主要な都市別で見ていくと、必ずしもそうとは言い切れないことがわかります。集計世帯数が全国で約6000なので、各都市別にするとサンプル数が少なくなっているため、あくまでも参考値ということになりますが、意外な結果が見えてきます。
 
この記事では、全国平均では見えない、各地域の状況を紹介していきます。

 

エリア別の平均貯蓄額 TOPは関東で2016万円!

エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯)

エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯)

 
まず、大きなくくりであるエリア別で見ると、平均貯蓄額のトップは関東の2016万円。次いで近畿の1854万円。3位に東海が入り1800万円という結果になりました。一方、負債額の平均が最も多かったのが東海の662万円。ついで関東の645万円。3位が北陸の576万円となっています。
 
貯蓄額から負債額を差し引いた「純貯蓄額」では、トップが関東の1371万円。次いで近畿の1334万円。3位が北陸の1182万円となっています。
 
年収に対する貯蓄額を表す貯蓄倍率では、近畿がトップの3.08倍。次いで関東が3.00倍。3位が東海の2.88倍。
 
今回の調査では三大都市圏が平均貯蓄額については、1~3位となりました。しかし、後述する負債などの状況を加味すると、必ずしも「年収が高い=貯蓄が多い」とはならず、全体的な傾向としては、金銭的な感覚については、西高東低の傾向があるのかもしれません。
 
ちなみに、エリア別では「北海道」と「沖縄」が単独でデータが出されています。県民所得が常にワースト1位の沖縄ですが、北海道と年収差が約70万円あるにしても、貯蓄額で500万円以上の開きがあります。地域特性では片づけられない深刻な問題かもしれません。

 

勤労者世帯でも貯蓄額トップは関東の1552万円

二人以上世帯のうち、勤労者世帯だけではどうでしょうか。
 
エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)

エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)


 
勤労者世帯でも、関東がトップで1552万円。次いで北陸の1434万円。3位が東海の1350万円。近畿は前回調査では全国トップでしたが、今回は4位の1289万円
 
負債額が最も多いのは、東海で965万円。次いで関東の910万円。3位に近畿の833万円となりました。負債額については、やはり土地・住宅価格が高い3大都市圏では多くなってしまいますが、今回、東海では、全体でもトップ、勤労者世帯でもトップとなり、結果的に純貯蓄額では、低い数値となっています。
 
貯蓄額2位の北陸の負債額は765万円と全国平均以下に抑えられており、そのため、純貯蓄額ではトップの669万円という結果になっています。
 
勤労者世帯でも、年収が高く貯蓄額が一見多そうに見えても、負債の状況次第では、純貯蓄額で順位が入れ替わっています。いくら貯蓄があれば安心か、と一概にはいえませんが、都市部では、貯めても貯めても不安、という状況になっているかもしれません。

 

主要都市別の平均貯蓄額トップは、奈良市の2786万円!

全国主要都市、東京都区部の計52の貯蓄額のランキングは以下のようになります。エリア別より、1都市のサンプル数がさらに少なくなりますので、参考程度にとどめていいと思いますが、毎回、意外な(といっては失礼ですが)都市がトップになるのには驚かされます。
 
都市別 貯蓄額ランキング(1~10位)

都市別 貯蓄額ランキング(1~10位)


 
トップの奈良市の平均貯蓄額は2786万円で、これは全国平均の1752万円より1000万円以上多い数字です。奈良市は昨年も首位で、2014年以降、首位か2位のどちらか。毎年続くわけですから、奈良市民の貯蓄力には驚かされます。2位はこれも前回と同じく横浜市で2716万円。東京都区部は3位の2433万円。このトップ3に変動はありませんでした。
 
4位以下は大きく入れ替わり、津市が昨年33位から4位、浜松市が昨年16位から5位と大幅に貯蓄額が増えています。
 
もちろん、昨年と同じ調査対象者ではありませんから、単純に比較はできませんが、大都市である大阪市は、昨年30位、今年は31位とふるいません。必ずしも大都市だから貯蓄が多いとはならないのです。逆に、下位の都市もそれほど変動がなく、青森市、那覇市を除き、年収が低いから貯蓄が少ないというわけでもなく、貯蓄への意識の違いとしか言いようがないかもしれません。
 
都市別 貯蓄額ランキング(11~30位)

都市別 貯蓄額ランキング(11~30位)

 
都市別 貯蓄額ランキング(31~52位)

都市別 貯蓄額ランキング(31~52位)


 
ランキングは貯蓄額で並べたものですが、都市によって暮らしぶりが大きく異なるので、貯蓄額が多ければいい、少なくて大変ということではありません。いくら貯蓄があれば安心なのか、ということでもないでしょう。しかし、平均貯蓄額といった全国平均の数字を細かく見ていくと、その都市の生活実態に沿ったものであったりします。
 
確かに、ワースト1位の那覇市の平均貯蓄額は752万円と全国平均を大きく下回っており、本当に日常の生活に不安はないのか、老後は大丈夫なのかと心配になります。それでも、東京や大阪など都会での生活とは異なるので、一概にこのデータだけでは語ることはできないでしょう。
 
今回ご紹介したデータから、自分が住む都市はどうなのか、そこで生活している自分の貯蓄額はどうなのか、この先の貯蓄プランや生活の仕方などを考えてみてほしいと思います。

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