テクノポップ/海外のテクノポップ

『アナ雪』の舞台でもある北方少数民族の歌姫とは(2ページ目)

トナカイ遊牧民として知られるサーミ人が住むラップランドとは、辺境の地を意味します。『アナと雪の女王』の舞台とも言われています。今回、辺境ポップとして一押しするのが、サーミ歌姫、ソフィア・ヤノック。サーミの伝統民謡、ヨイクに始まり、北欧エレクトロとも言える最新作まで。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ヨイクとは?

ヨイク(Yoik)とは、シャーマニズム信仰に発するサーミ人が伝承してきた音楽で、その歌唱法に特徴があります。キリスト教化の過程で、一時弾圧された時期もありましたが、ヨイクは今もサーミ人の文化として存続しています。歌詞があったり、なかったり、無伴奏もしくは打楽器を伴奏で歌われます。日本人にもノスタルジーを感じさせるペンタトニックスケールで、歌われる曲が多いです。説明しても分かりにくいので、こちらを聴いてみてください。

Yoik of the Wind (YouTube)

ソフィア・ヤノック

このヨイクを歌っているのが、サーミ人シンガーであるソフィア・ヤノック(Sofia Jannok)。ソフィアは、Sofia och Anna(Sofia and Anna)としてアンナ・カルシュテッド(Anna Kärrstedt)とデュオとして90年代から活動。二人とも、スウェーデン北部のイェリバーレ(Gällivare) 出身。2007年にアルバム『White』でソロ・デビューを果たしました。この時点では、ヨイクを取り入れたポップス調のものが多い。

White / Ceaskat (amazon.co.jp)
white

White


Liekkas (YouTube)

セカンドの『By the Embers』(2008年)から、音楽性も広がりを見せ、「Irene」では、ビヨークなんかにも通じる不思議な魅力に溢れています。

By the Embers / Áššogáttis (amazon.co.jp)
bytheembers

By the Embers


Irene (YouTube)

最新アルバムとなる『Wide as Oceans』(2013年)のタイトル曲は自殺について歌った内省的な内容。ジャケも映像もモノクロームに統一され、彼女には精霊が宿っているような気がしてきます。

Áhpi (Wide as Oceans) (amazon.co.jp)
wideasoceans

Wide as Oceans


Áhpi (Wide as Oceans) (YouTube)

2015年にシングル『We Are Still Here』を発表。Royksoppや北欧エレクトロ勢の中に入っても違和感がありません。ジャケットのルックスも超イマ風で、気合が入りすぎな気もします(笑)。

We Are Still Here (amazon.co.jp)
wearestillhere

We Are Still Here


We Are Still Here (YouTube)

以上、サーミ人に始まり、ソフィア・ヤノックについて解説いたしました。いつか、サーミ人の地に訪れたいものです。
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