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干渉すると不安定に!無線LANのチャンネルとは(2ページ目)

無線LANは、利用する周波数帯をチャンネルで表現しており、現在利用されているのは、2.4GHz帯と5GHz帯と定義されている。2.4GHzと5GHz、さらに11gや11acといった規格はどのような違いがあるのか?本記事では、無線LANで利用するチャンネルに関してその詳細を解説する。

岡田 庄司

執筆者:岡田 庄司

LAN・無線LANガイド

5GHz帯のチャンネル

11acや11n/a(5GHz帯を利用する11n)および11aは、5GHz帯の周波数を使用する。利用可能なチャンネル数は現在19チャンネルとなっており、下図のようにチャンネル間の重なりがないことから、19チャンネルをすべて同時に使用できる。
5GHz帯のチャンネル割り当て(クリックで拡大)

5GHz帯のチャンネル割り当て(クリックで拡大)


また、規格上以下のように分類されている。
  • W52:36ch~48ch
  • W53:52ch~64ch
  • W56:100ch~140ch

5GHz帯で起こる電波の干渉

基本的に5GHz帯の場合は、19チャンネルを同時に利用できるので電波の干渉は起こりにくい。

11n/aでは、帯域を束ねて使い高速化を図ることできる。理論的には最大9つの帯域まで可能だが、現在の製品では、2つの帯域を束ねて利用している。11acでは、理論的には最大8つの帯域まで束ねられるが、現在販売されている製品では、最大で4つとなっている。

さすがに4つの帯域というと干渉が起こりやすいように思えるが、そうでもない。というのは、まだまだ5GHz帯を利用するユーザが少ないし、5GHz帯を利用する機器が生活環境に少ないからだ。

さらに、5GHz帯の電波は直進性が高いため、障害物に弱く、遠くのアクセスポイントの影響を受けにくい。そのため、干渉を受けるアクセスポイントが限られてくる。これらの理由もあって、5GHz帯では電波の干渉が起こりにくいといえる。

なお、アクセスポイントと子機が11n/gと11n/aに対応している場合は、当然11n/aを利用すると電波の干渉を受けにくくなる。ただし、5GHz帯の電波は、障害物があると電波が減衰するので、「見通しのよい場所で利用する」という条件が付く。11n/gは電波が回り込むので、干渉には弱いが障害物には強い。どちらを取るかは状況次第だ。

5GHz帯のDFSとTPCについて

5GHz帯のW53とW56に割り当てられているチャンネルには、法律で気象レーダーや衛星通信との干渉を回避するDFSとTPCという機能が追加されている。

DFS(DynamicFrequencySelection):干渉波を検出した場合に、その場で臨機応変にチャネルを変更する機能。チャンネルが変更される場合は、一時的に通信が途切れる。

TPC(TransmitPowerControl):干渉波を検出すると、そのチャンネルの無線の出力を低下させる機能。

とはいうものの、通常の生活環境であれば、経験上W53やW56のチャンネルを使っても、通信が途切れたり極端に感度が落ちたりすることはない。もし、5GHz帯でなにか不具合が起きた時に、「W52にチャンネルを変更し、様子を見るのも一つの方法」と捉えておけばよいだろう。

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