住宅設計・間取り/実例にみる間取りプラン

建坪18坪・正方形の間取り実例(2ページ目)

正方形のかたちをした土地は建物の中央部分のスペースが暗くなり、湿気や臭いがこもり、通気が悪く、間取りに自由度が生まれにくい印象があります。今回は、正方形の間取りで条件や問題をクリアした住宅の実例をご紹介します。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


間取りと工夫したポイント

間取りと工夫したポイントは、次の通りです。

■間取り
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  建坪18坪の間取り(クリックすると拡大します)


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2階平面図(クリックすると拡大します)  


■工夫したポイント
  • 前面道路がL字形をしている。将来事務所の配置や車の出入りを考えると、建物は左側に寄せて南側をあける。
  • 建物の大きさは7.28m×7.28mの正方形とし、階段を中央部分に設け上部をトップライト(天窓)とする。
  • 2階の間取りは階段を中心として回遊性のあるLDKとし、広がり感を演出
  • 建物につけたベランダは設けずに外観のデザインはすっきりとさせた。離れた物見塔(ベランダ)をつくり子どもの遊びのスペースと洗濯物を干すスペースの兼用とした。将来子どもができて小さいうちは雨でも外気分で安心に遊ばせることもできる。
  • 階段部分を中心部にすることで柱が多くなり、中心構造部ががっちりとした木組みになり耐震性も増した。
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外観図(南東側)  



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回遊性のあるLDKとし広がり感を演出

 
 
 

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階段部屋の天井を見る。

 

設計:(株) 佐川旭建築研究所


設計者 佐川旭のまとめ

家相では家の中央に階段があると大凶相といわれることがあります。昔の建物の屋根は瓦で重く、それを支える中央部分が階段だと吹抜け状態となり、構造的に弱くなるからです。さらに照明のない時代ですから家の中央部は昼間でも暗くなるので、上り下りで危険になるからです。

しかし現代は、屋根材も軽量となり、トップライトで光を取り入れることもでき、照明もあります。家相は気にしなくても大丈夫です。
この家では階段を「階段部屋」と捉え、内壁をつくることで内包した空間になりました。
シナベニヤで仕上げた内壁が上部からの光と室内側の間接光をやさしく反射させ、温かく気持ちの良い空間になりました。

気持ちの良さがリズムをつくり、上り下りを楽しくさせ、LDKの2階へ上がる億劫さもない遊び心のある家ができたと施主は満足されて話されていたのが印象的でした。
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