お金の悩みを解決!マネープランクリニック/シングルマザー・シングルファザーの方のお金悩み相談

30歳父子家庭、子ども2歳。自営業で生活がギリギリ(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は父子家庭で頑張る自営業30歳の男性。ファイナンシャル・プランナー、平野泰嗣さんが担当します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 今の状況に対し焦らず、現状維持でよしとする。本業を伸ばしていく工夫が大切

データを拝見する限り、父子家庭のため食費は少し高めですが、自営業のため家事にあまり時間は取れないことを考えるとやむをえないでしょう。十分切り詰めて生活していることがうかがえます。父子家庭で、お子さんがまだ2歳であれば、確かに時間も育児に取られがち。相談者の伊藤さんが言われるとおり、収支については現状が限界でしょう。

であれば、少なくとも今は無理に収入アップを目指すのではなく、現状維持でよしとしてはどうでしょう。焦らずとも、お子さんが乳児保育から幼児保育に、そして小学校に入学する頃には、雑費の大部分を占める、紙おむつ代などの子ども関連費の支出を抑えられるようになります。また、お子さんも成長するにつれ、伊藤さんが仕事に使える時間も増え、結果的に貯蓄に回せる資金も増えるはずです。

また、副業に手を付けるより、本業を伸ばす方が賢明だと思います。今後時間が増えてくれば、会社帰りのサラリーマンやOL相手に営業時間を夜間まで伸ばすなど、工夫はいろいろできるのではないでしょうか。

時間ができ、新しいことに取り組むのであれば、インターネットを活用した集客方法を身に付けたりするなど、現在のビジネスに役に立つスキルを身につけ、本業を伸ばしていくことに集中した方が、収入を増やす可能性が高まります。

また、手に職があるということは、定年もなく、健康であれば自分が希望する年齢まで働くことができます。常連の顧客を相手に自分のペースで仕事ができるのも強み。今はそのための準備期間と考えてみてください。
 

アドバイス2 目先を考えず長いスパンで貯蓄計画を考える

伊藤さんは「老後より目先の生活」と言われていますが、私は今が苦しいからこそ、長期的にライフプラン考え、そのための貯蓄プランを立てていくことが大切だと考えます。

実際に伊藤さんの今後の収支について、シミュレーションをしてみました(表参照)。収入がアップせず今と同じ水準で推移するとしても、お子さんが大学入学時から3年間は赤字となるものの、学資保険の満期金と貯蓄で十分カバーできます。
 
「伊藤かます」さんのキャッシュフロー

「伊藤かます」さんのキャッシュフロー


また、50代前半で貯蓄も1000万円超となり、ある程度の老後資金も準備できることがわかります。

もろちん、このとおりに収支が推移するとは限りません。しかし、将来を数字で示すことで、ただ焦るだけではなく、どうして資金づくりをしていけばいいかという道筋が見えてくるのです。
 

アドバイス3 投資等は1年分の生活費を確保してから。確定拠出年金を考えては

投資については自営業者の場合は、休業の補償がないため、万が一に備え、300万円貯まるまでは控えた方がいいと思います。現状の収入アップを目的に今リスクを取ることは、やはり避けるべきです。

実際に投資をするなら、300万円を超える分に関して、毎月1万円でもいいので、確定拠出年金制度(個人型)を利用して積み立て投資を行うといいでしょう。積み立てた全額が所得控除の対象となりますので、それだけでも自営業者には大きなメリットになります。

教えてくれたのは……
平野 泰嗣(ひらの やすし)さん
 
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ファイナンシャル・プランナー、キャリアコンサルタントとして活躍。FPの妻と2人でFPオフィス Life & Financial Clinicを創立し、「自分らしく生きること」をモットーにライフ・ファイナンス・キャリアの3つの視点でのアドバイスをする。中小企業診断士として経営者・従業員のライフプラン支援も行っている。著書に『30代夫婦が働きながら4000万円の資産をつくる 考え方・投資の仕方』(明日香出版社)。All Aboutマネーの連載『ふたりで学ぶマネー術』も人気


取材・文/清水京武

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