ジャズ/シチュエーション別おすすめジャズ

ロックの名曲をジャズで演奏した名演3選(3ページ目)

ロックの始まりは、1950年代のアメリカ。「ロックン・ロール」がその起源とされています。120年の歴史を誇るジャズにも、活力にあふれるロックからの影響を受けた「ジャズ・ロック」や「フュージョン」などのジャンルがあります。今回は、ロックの名曲をジャズ・アレンジで聴かせる名演ベスト3をご紹介します。

大須賀 進

執筆者:大須賀 進

ジャズガイド

 

第1位 ブラッド・メルドー「ジ・アート・オブ・ザ・トリオVol.1」より「ブラックバード」(ザ・ビートルズ)

undefined

ザ・ビートルズといえば、今でもおそらくは世界一有名なロック・バンドでしょう。イギリスの田舎町リヴァプールから世界を席巻した彼らの活躍は、誰もが知るところ。

名曲の宝庫のオリジナルの中で、今回ジャズ・ピアニスト、ブラッド・メルドーが取り上げたのは「ブラックバード」。
Amazon
 

ビートルズのベスト・アルバムとの評判もある「ザ・ビートルズ」(通称ホワイト・アルバム)からの小曲です。
  この曲は、ジャズでも取り上げられることが多く、有名なところではベーシスト、ジャコ・パストリアスによるものがあります。

今回ご紹介するのは、ピアニスト、ブラッド・メルドーの「ジ・アート・オブ・ザ・トリオVol.1」からのこの曲です。ブラッド・メルドーは、現代を代表するジャズ・ピアニストと言ってよいでしょう。そのブラッドが真っ向からこの曲に取り組んでいます。

ベースのパターンによるイントロからブラッドはメロディをストレートに奏でていきます。アドリブに入るとリズムが強調され、音楽ががぜんイキイキとスウィングするのがわかります。

けれんみのないストレートな表現が、原曲のポール・マッカートニーの歌にはなかった爽やかな雰囲気を強調しています。ファイド・アウト(音楽がだんだん小さくなって終わること)によるソロ・ピアノのエンディングも、さらに聴きたい思いにさせ、上手なつくりになっています。
 

ザ・ビートルズと言えば
おまけ グラント・グリーン「抱きしめたい」より「抱きしめたい」

undefined

ビートルズ初期の大ヒット!「抱きしめたい」をブルージーにジャズ化した名演がこちら。
Amazon
 

グラント・グリーンといえば、ブルース・フィーリングの塊のようなジャズ・ギタリスト。コードを弾かずにシングルトーンで、ホーン奏者のようにアドリブを聴かせる人気者です。そのグラントと、テナーサックスのハンク・モブレー。オルガンのラリー・ヤングと言う顔合わせ。

演奏は、イギリスっぽさのまったくない、これぞソウル・ジャズ!そして実はここでもっとも注目すべきは、ドラマーのエルヴィン・ジョーンズです。

とくにソロを取ったりとか派手なことは一切していませんが、時折りバックで聴かせるブラシによる複雑なドラミングは、これぞジャズメンのロックと言えるものです。この味のあるビートルズが気に入ってしまったら、もうソウル・ジャズファンへの入り口です。

この当時は、ビートルズの曲をいろいろなジャズメンが取り上げています。そちらを、探して少しずつ聴いていくことをおススメいたします。きっと、普段のロックとは違う世界が広がることでしょう。

今回のロックの名曲のジャズ名演、いかがでしたか。今回ご紹介した以外にも、まだまだたくさん名演はあります。そちらも機会を見てご紹介していきます。それでは、また次回お会いしましょう!
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でジャズの CD・DVD を見るAmazon でジャズ関連商品を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます