日本版カジノは民設民営の新しい概念への挑戦
今年になり、毎月のように海外のカジノ事業者が来日し、会合を開くなど動きが本格化。残るは法整備を待つのみとなっている。
海外から観光客を誘致しようと小泉政権時代に打ち出されたビジットジャパンキャンペーンにクールジャパン戦略など、日本の魅力を知ってもらうための施策はあるが、とりわけカジノを含むIRは日本の総合力が試される事業。その効果を発揮させる運営形態とは何か。
「IR(Integrated Resort)」とは、カジノを中心に、エンターテインメント、コンベンション、レストランならびに数千室に及ぶ宿泊施設など複合的な機能を持つリゾートを指す。
その発祥は米国ネバダ州ラスベガスだが、日本がモデルにしているのがシンガポールだ。シンガポールでIR計画が持ち上がったのは日本よりもずっと遅いにもかかわらず、日本が国内で足の引っ張り合いをしている隙に完成させ、本来であれば日本が獲得できたはずの観光客をかっさらってしまった。
皮肉にもそれがきっかけで日本も重い腰をあげることとなった。
カジノなしのIRなどありえない
シンガポールのIRが観光客を集めたのは、中心にカジノがあるからに他ならない。大規模なリゾートは世界各地にあるが、行き先選びで決め手となるのはカジノの有無。ビジネス目的の渡航であっても滞在中すべてビジネスというわけではない以上、成熟した大人の遊びとしてカジノの魅力は不可欠だからだ。
24時間営業可能な法整備が必要
しかし、単にカジノさえ作ればいいというわけではない。問題はその運営形態だ。海外から日本に来た観光客のうち、とくに欧米人に不評な点は、夜に大人が遊べる場所がないことだ。電車は0時前後で終了。店もそれに合わせて閉まってしまう。入れるのは一部の飲食店だけだ。
しかしそのやり方では話にならない。大規模なIRである以上、24時間営業は絶対条件。これは避けて通れない道だ。
では、そんなカジノの経営形態はどうあるべきか。