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意外な盲点に注意!中学生の塾選びのポイント

中学生の塾選びは中学生ならではのチェックポイントがあります。家庭の教育方針、中学生のお子さんに合う塾選びのポイントをお伝えします。

西村 創

執筆者:西村 創

学習塾・個別指導塾ガイド

学校の定期試験対策重視の補習塾

中学受験をする小学生のコースを併設している塾では、中学生の指導よりも小学生の指導を優先しがちです。

中学受験をする小学生のコースを併設している塾では、中学生の指導よりも小学生の指導を優先しがちです。

中学生は学校の定期試験対策を中心に指導してもらうか、高校入試に向けた指導を中心に指導してもらうのかという選択から塾選びをスタートするのがいいでしょう。中学生対象の塾は学校の定期試験指導が中心のところ多いのが、小学生や高校生対象の塾にはない特徴です。学校の定期試験対策中心の塾は、いわゆる「補習塾」というカテゴリに入る塾です。通っている中学校の定期試験にどれくらい対応した指導を受けられるかということが、補習塾選びのひとつの基準になるでしょう。

高校入試対策重視の進学塾

一方、「進学塾」と言われる塾では将来の高校入試に対応できる学力をつける指導が中心となります。授業のカリキュラムは学校よりも早く進み、中3の秋には全教科の単元学習が終了します。そこから入試日までは入試問題の過去問演習になるところが多いです。

進学塾選びのポイントは、志望する高校の合格率がどれくらいなのかという点です。注意したいのは「合格者数」ではなく「合格率」だということです。大手の塾であればそれだけ複数の教室を展開しているので、合格者数が増えるのは当然です。合格者を多く出していても、その陰でより多くの不合格者を出しているというのもよくあることです。ぜひ、「合格率」を最寄りの教室に尋ねてみてください。

進学塾は公立志向か私立志向かを確認

将来の高校受験に備えるための塾を選ぶ場合は、受験指導が公立向けか私立向けかを確認するところから始めるといいでしょう。ひと口に高校受験指導と言っても公立高校受験の入試と私立高校の入試形態は大きく異なるため、どちらをターゲットにするかで指導方法も変わってくるからです。

ただ、東京都以外ではほとんどの塾が公立受験指導中心です。一方、東京都では私立受験指導が中心の塾が多いです。なぜなら東京都は十数年前まで都立高校の進学実績がしばらく低迷していたうえに、人気大学の附属高校も多く、都立高校よりも私立高校の人気が高いという特殊な地域だったからです。今では都立高校が復権し、都立高校を第一志望とする受験生が約8割になりました。ただ、東京都はこれまでの経緯があるため、私立高校の受験指導が中心の塾が多いのが実態です。

東京都在住の方は早稲田大学や慶應大学、またはMARCH(明治大学・青山大学・立教大学・中央大学・法政大学)の附属高校などの私立高校をめざすのか、それとも日比谷高校や西高校、戸山高校や新宿高校をはじめとする都立高校をめざすのかによって選ぶべき塾が変わってきます。

例えば早稲田実業や早稲田高等学院を狙うのなら、名前がそのままターゲットを表している「早稲田アカデミー」の他、「SAPIX」などが挙げられます。都立高校をめざすのなら「難関都立高校進学教室」と明示している「河合塾Wings」や、教室数が多い「市進学院」などが挙げられます。

中学生指導への力の入れ具合は塾によって異なる

最後に、中学生の塾選びの盲点をひとつお伝えします。それは中学受験をする小学生のコースを併設している塾では、中学生の指導よりも小学生の指導を優先しがちであるという事実です。特に同一の講師が小学生の中学受験指導と中学生の高校受験指導を掛け持ちしている塾は要注意。

中学受験指導は高校受験指導よりも手間がかかるうえに、中学入試日は高校入試よりも先です。高校受験指導の追い込み時期に中学入試日が重なるため、中高の受験指導を掛け持ちしている講師は中学生よりも入試を直前に控えた小学生に意識が集中してしまうのは自然なことです。検討している塾では中学受験指導と高校受験指導の講師が掛け持ちなのか、別々なのかを確認しておくといいでしょう。

さて、いかがでしたでしょうか。中学生の塾選びは中学生ならではのチェックポイントがあります。家庭の教育方針、中学生のお子さんに合った塾を選んでください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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