テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーバンギャルドの『鬱くしい国』(3ページ目)

アーバンギャルド、電撃のレーベル移籍後、初アルバムとなる『鬱くしい国』を6月18日にリリース! 既にPV(プロパガンダ・ビデオ)を3作も発表。新境地に踏み込みつつも、我らの国「日本」をアーバン的切り口で見つめた渾身の力作となっています。松永天馬さん、浜崎容子さんに新作について語って頂きました!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

副都心線のホームでガッツポーズ!

ガイド:
プロパガンダ・ビデオの第3弾となる「ワンピース心中」、1曲目から思わず口ずさみたくなります。でも、おっさんが口ずさむとかなり変な曲。アーバンがやると、「ファッションモンスター」ではなく、「ワンピース心中」。この曲をタイアップに使ってくれる勇気あるアパレルが現れる事を期待しております。

ワンピース心中 (YouTube)

浜崎:
urbangarde

左から(前面): 鍵山喬一、浜崎容子、松永天馬、瀬々信

おっさんにも口ずさんでいただきたい。この曲はメロディと構成が一度に頭の中をぶわああっと駆け巡って完成した曲です。生まれるまでは本当に苦しく、「よこたん!1曲目ワンピース心中、よろしく!」と天馬に任された事のプレッシャーもあり、〆切を数日過ぎてもできなかったのですが…ある日、家に閉じこもって苦しんでも仕方ない、と原宿へ出かけたのです。その道中で完成しました。ガッツポーズを副都心線のホームで決めましたね。イントロとリードシンセのフレーズが浮かんだ時に、「勝った!」と(笑)駅のホームでこっそりiPhoneにメロディーを録音する姿は結構気持ち悪かったと思います。

 

ガイド:
普段の行いが認められて、原宿の悪魔がきっとよこたんのために降臨したんです。

松永:
久しぶりに「トラウマテクノポップ」をストレートにキメた楽曲を一曲目にもってきました。スカート革命したアーバンが今度はワンピースで心中すると。アーバンギャルドと心中する勇気のあるブランドは是非タイアップにどうぞ(笑)!

現代日本が詰まってます

ガイド:
第1弾のプロパガンダ・ビデオを発表している季節外れの桜ソング「さくらメメント」。確かに「祝」と「呪」が共存していますね。「晴れ」と「穢れ」でもあり、アーバンって日本を真面目に考える珍しいバンドなんだと再発見。だてに血の丸をモチーフに使っていないんだと。同時によこたんの着物姿が素敵なのが、意外な新発見でした。

浜崎:
ありがとうございます。和装も似合うんです。という冗談は置いといて、アーバンって二面性を常に歌ってきたバンドだと思うんです。「生」の反対には「死」があるように。このアルバムのコンセプトはすばり「日本」ですが、ここまでストレートに和テイストを入れた曲は初めて挑戦しました。その中で見えてきたこともたくさんあるなあ、と。

松永:
今回のアルバムを作るにあたって最初に出来た曲で、和メロや和楽器のサンプリングも取り入れてみました。ボカロやアイドルソングといった僕が考える「現代日本」らしい音楽の面白みもこれでもかと詰め込みながら、最後はアーバンギャルド色に染める(血が降りかかる)ようにしています。

 

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