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“本物”から空間を考える「デザインパパ」カーツさん

ギャラリーのような建築空間で「本物の」インテリアエレメンツに囲まれて暮らす、デザインパパこと、カーツさん。今回は、ご自宅を訪ねて「次の世代まで残るデザインを選ぶ」「モダンデザインで教育を考える」とおっしゃる、そのデザイン理論の背景をお聞きしました。

喜入 時生

執筆者:喜入 時生

インテリア・建築デザインガイド

「本物」のインテリアエレメントたちに圧倒される!

神奈川県中央部の住宅街にひときわ目立つモダンデザインの白い邸宅。これがデザインパパこと、カーツさんのご自宅です。設計は建築家・筒井紀博さんによるもの。周囲の窯業系サイディングの外壁など新建材で仕上げられた「無難な」住宅群のなかにあって浮いて見えるほど、ひときわデザイン性の高いシャープな外観が目を引きます。

お部屋に通していただき、その空間とインテリア、特に家具類のレベルの高さに圧倒されました。そこは、家全体がレアな家具で設えられた、まるでギャラリーのようなスペース。ちょっと家具に詳しい人が見れば、その凄さがわかるはずです。
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白く仕上げられたギャラリーのようなリビングに名作家具がズラリ。家具マニアの方々でも垂涎の的のアイテムだらけです!photo:カーツ

さりげなく置かれている、赤いハンス・J・ウェグナーのスリーレッグドシェルチェア、イルマリ・タピオヴァラのドムスチェア、天井から吊るされたペンダントはルイスポールセンのPHスノーボール……などなど、北欧家具好きにはたまらない逸品がずらりとあります。そして、北欧だけでなく、玄関の脇にはイタリアのファビオ・ノヴェンブレがデザインした、知る人ぞ知る通称「顔の椅子」が! 商業建築でもめったにお目にかからないこの椅子が住宅にあることに驚きました。
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パーヴォ・ティネルのデザインの真鍮でできたランプシェードの下にはドムスチェアが。これはバーチ材で作られたオリジナル。赤いカルテル社製の樹脂製の収納コンポニビリもアクセントです。photo:カーツ

そして、イームズのシェルチェアとLCWと呼ばれるプライウッドのラウンジチェア、オレンジのエーロ・アールニオのFRP製のパスティリチェア、そして壁にはジョージ・ネルソンのアイクロック……、と国を問わずミッドセンチュリー期の家具も充実。
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アアルトの戦前のオリジナルチェア。もし今後、日本でアアルト展が開かれることがあれば貸出し要請がありそうなくらい貴重な1脚です。

なにより驚いたのは、そのほとんどが「オリジナル」であること。特にアアルトのModel No.69などは1930年代のもの!! 日本に数脚しかないと思われるこの椅子は博物館級です。こうした超モダンデザインのプロダクトたちに囲まれた生活を営んでいるカーツさんに、そのココロを伺いました。

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