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アクションパズル全盛時代、という考え方(2ページ目)

ここ1、2年のことです。しばらくあまり遊んでいなかったジャンルのゲームをやけに遊んでいる気がします。アクションパズルです。あまり意識はしていないかもしれませんが、言われてみればアクションパズルを結構遊んでいるという方、いるんじゃないでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

パズドラはアクションパズルとカードバトルの融合

パズドラの図

近年のゲーム業界最大のヒットは、アクションパズルのゲームなのです。

アングリーバードは、日本でも売れはしましたが、その規模は世界の衝撃的な大ヒットからするとやや劣るものでした。しかし、そんな日本にもアクションパズルの大ヒット作が生まれます。みなさんご存知、ガンホーオンラインエンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ(以下パズドラ)」です。

アングリーバードが初期のスマートフォン向けゲームアプリ市場において、アクションパズルとの相性の良さを証明したタイトルだと考えると、その後日本でパズドラがヒットした事実は非常に興味深く感じられます。

なぜなら、パズル&ドラゴンは、携帯電話のソーシャルゲームで流行っていたカードバトルタイプのゲームに、アクションパズルを取り入れた作品、と見ることができるからです。

もちろん、パズドラのヒット要因には巧みな運営手法など、様々な要因が考えられますが、ジャンルとして流行っているカードバトル、そしてスマートフォンにマッチしたアクションパズルが融合しているというのは、無視できないポイントではないでしょうか。

スマートフォンにマッチしたパズル

ぷよぷよクエストの図

スマートフォンの操作にマッチするように、従来のぷよぷよから大きく変更されています

もう少しパズドラのパズル部分についてフォーカスすると、その操作方法も非常によくできていることが分かります。ゲームセンターやファミコンの時代に流行っていた、テトリスなどのパズルは、スティックや十字キー、そしてボタンにマッチした操作でした。

しかし、パズドラの操作方法はそれとは大きく異なります。画面上に並んだ色とりどりのパズルブロック(ドロップ)、これを指でなぞると次々にブロックの位置が入れ替えられ、入れ替えることによって色を揃えていきます。この、画面を指でグリグリっとなぞって遊ぶ感覚はスマートフォンにとても馴染んでいます。うまくなぞれば意図的に連鎖を組むこともできますが、適当にグリグリしててもそれなりに揃って遊べます。

パズドラのフォロワーで成功していているタイトルにセガの「ぷよぷよクエスト」がありますが、こちらもパズル部分をスマートフォン向けに変えています。本来、落ちてくる「ぷよ」と呼ばれるパズルブロックを積んでいき、色を揃えることで消していくパズルです。1つ消すと、消えた部分の上に乗っかっているぷよが下に落ちていき、下におちることでまた色を揃える、という形で連鎖を目指します。

ぷよぷよクエストでは、上からぷよは落ちてきません。最初から積んであるぷよを指でなぞると、なぞった部分のぷよが消えます。ぷよが消えたことでその上のぷよが下に落ちていきますから、連鎖の要領で色を揃えてぷよを消していく、ということになります。遊んでみると、全く違う操作方法なのに、パズルの思考としては意外なほどぷよぷよです。

アクションパズル、しかも、スマートフォンの操作にマッチしたゲームが流行った、という視点はとても重要です。
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