記憶術/記憶術の例

300超の資格持つ試験勉強の達人の記憶術(後編)

毎週のように検定・資格試験を受け、300を超える検定・資格を持つオールアバウト「資格」ガイドの鈴木秀明さん。その記憶の秘訣を明らかにしていく2回シリーズの後編です。前編では試験勉強をゲーム攻略になぞらえて取り組むといった、鈴木さん独特の「戦略」的勉強法・記憶術が語られました。さて、今回はどんな秘訣が飛び出すのでしょうか?

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

記憶は忘れるのが当たり前

鈴木秀明さん

楽しくできる記憶術を提唱する鈴木さん

――前回の最後に言われていた基本的な「心構え」とは何ですか?

鈴木:それは……「記憶は忘れるのが当たり前」、です。

――え? なぜそれが大事な心構えになるんですか?

鈴木:この心構えを持っていると、忘れてもくじけないんです。

「忘れるのは当たり前」だから、もう1回覚えればいいんだ、となりますから。イチイチ凹まないで済むのです。

――なるほど。ほんと人間は忘れますからね。だからこそ、繰り返しが必要なわけですが。「忘れるのが当たり前」だと思っていると、繰り返しも自然なことになり、苦になりませんね。

鈴木:そうなんです。多くの人はこの心構えができていなくて、ちょっと忘れると、「なんでこんなことを覚えられないんだ……」とすぐに凹んで、大事な勉強時間を失い、やる気も失っていくのです。「自分に過信しない」ことが大事ですね。

――「自分に過信しない」ですか……。ただ、実際には過信どころか自信を持っていない人が多い気がしますが……。

鈴木:自信がないような言葉を吐いていても、実際には自分を過信している人は多いと思いますね。さっきの「なんでこんなこと覚えられない」と落ち込むのも、「1回やそこらですぐに覚えられる」と過信していたからです。

そこで、「忘れるのが当たり前」ということに気づけばいいのですが、そうはいかずに、「もっとがんばらなければ……」となることがほとんどです。つまり、過信は続いていくのです。


試験勉強では自己理解が必須

――「がんばってなんとかしよう」というのは、ある意味、自己過信の現れなんですね。

鈴木:そうです。計画を立てたけれど、「計画どおりいかない……もっとがんばらなければ」なんていうこともよくありませんか?

これも実行できなかったということは、自分の実力を甘く見積もっていたということですし、自己理解が足りなかったということになります。

――おお……厳しいですね……。

鈴木:試験勉強では過去問や出題傾向といった「相手」を知ることは強調されますが、自分を知ることは軽視されていると思います。孫子も言っているじゃないですか「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と。

――では、自分の何を知ればいいのでしょう?

知るべきは自分の「○○・●●パターン」……次ページへ
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