退職金の5割超を貯蓄。消費も楽しんでいる
博報堂 新しい大人文化研究所のレポート(※1)によると、従来の高齢者は「貯蓄=塩漬け=消費しない」というイメージであったが、団塊世代からは「おカネを増やして消費するエルダー」へと変化している、とのこと。50歳代と60歳代にいったいどのような意識変化が起きているのでしょうか。同レポートによると、退職金の使い道のトップはやはり「貯蓄」です。退職金をもらった直後の退職金に占める貯蓄の割合は男性55%程度、女性60%程度とかなり高く、消費、ローンの返済、投資運用がそれに続きます。しばらく時間をおいて、定年後の生活全体になると、貯蓄は50歳代では男女ともに7ポイント程度、60歳代でも4ポイント程度減少しています。
一方「消費」は、退職直後は15~17%程度の割合でしたが、定年後の生活全体になると25%程度と10ポイントほども増加しています。「投資」は、50歳代男性だけが微増で、他は微減となっています。ローンの返済に使った割合も減少しており、アンケート調査対象世代が、消費を楽しんでいる姿が浮かび上がってきます。
退職金の3割を株式や投資信託で運用
「あなたは退職金を何を使って運用していますか/しましたか」(複数回答)への60歳代の回答は、男女ともに約70%を定期預金や定額預金などの元本保証の金融商品で運用しています。残りの30%程度の運用先では意外なことに株式投資が多く(男性40.8%、女性25.1%)で、投資信託、外貨預金と続きます。まるで「老後資金は元本保証の金融商品で運用しましょう。ゆとり資金の3割程度はリスクのある株式等で運用してもいいのでは?」という老後資金の運用方法に従っているかのようです。(※1)博報堂 新しい大人文化研究所 新大人研レポート8「いま高齢社会は”“新しい大人社会”へと大きく変化 その(1)」2013年7月
では、シニアは定年後、何にお金を使おうとしているのでしょうか。次のページで詳しく見ていきましょう。