株式も「比べて有利な値段」で買える方法がある
株式市場のほかにも、株式を買える「お店」がある
皆さんは何か商品を買うときに、その商品の値段をいくつかのお店でチェックして、一番安い店で買いませんか?株式市場でも、株式を取り扱うお店=取引所をいくつか比較して、安く買えることをご存知でしょうか?
実際のお店だと何軒も見て回るのは大変ですが、ネットショッピングの場合、簡単に1クリックで見比べることができますし、価格.comのような比較サイトもあるので、最安値で売っている店を検索することも可能です。
私設取引所(PTS)とは
株式市場では、リアルタイムに値段(株価)が変化します。個人投資家の皆さんは、ほとんどの場合、東京証券取引所の価格で売買を行っていますよね。一方、私設取引所(PTS)という取引所もあります。機関投資家や外国人投資家などは、東京証券取引所とPTSを比べて、より有利な価格の取引所で売買することが多いようです。
PTSとは、難しく言うと、日本証券業協会の定める「上場株券等の取引所金融商品市場外での売買等に関する規則」などにしたがって行われる、「取引所金融商品市場外取引」のことです。
現時点で個人投資家が参加できるPTSは、SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する「ジャパンネクストPTS」に取り次いでいるサービスのみです。
みずほFGを例に株価を比較
上は、みずほフィナンシャルグループ(8411・東証1部)の、2013年9月26日13時37分時点での東証とPTSの株価を比べたものです。株価(気配値)の左側に売り注文の株数、右側に買い注文の株数が表示されています。みずほフィナンシャルグループは流動性が高いので、東証では1円刻みに数百万株から1000万株以上の売買注文があることがわかります。
この状況ですぐに1万株を売却する場合、
- 東証:1万株×220円=220万0000円
- PTS:1万株×220.90円=220万9000円
PTSを参考に株価の動向を予測する裏ワザも
今度は、17分後の13時54分の状況を見てみましょう。先の13時37分の画像では、220円買い・221円売りの気配状況だったのが、13時54分には221円買い・222円売りと、1円ずれていることがわかります。このことを、13時37分の時点でかなり高い確率で予測する方法があります。それは、PTSのほうの状況を見ることです。
売りの注文は、221円から入っていますが、買いの注文は220.9、220.8……と10銭刻みでびっしりと入っており、買いたい投資家が多いことがわかります。こういう状況になったからといって、必ずしも東証の株価が上に動くわけではありませんが、上に動く可能性が高いとはいえそうです。
東証の売り注文・買い注文の株数が拮抗していて、上下どちらに動くか判断しにくい場合、PTSの注文状況を参考にするといいかもしれませんね。
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