LED電球-明るさから照明の質の時代に
LED電球が住宅照明用として使われはじめて5年ほど経ちます。当初は価格も高価で、また年々エネルギー消費効率(lm/W)が高まっていることから購入時期のタイミングが難しく、それが普及に影響していました。しかし最近は効率や価格も安定しつつあることから白熱電球の代替が進んでいます。今日では20%くらいの普及率と推測され、今後ますますの普及が期待されています。
LED電球は光の質においても向上しており、特に色の見え方(演色性)は初期のものが平均演色評価数Ra75前後(Ra100が最高)に対して、今はRa80~85が普通になっています。これはCIE(国際照明委員会)が住宅照明で推奨するRa80を超えます。
ニ極化している住宅照明の光色
写真1. LEDの光色は大きく分けて、電球色と白色、昼白色の3種類
その中で日本の住宅照明は白色もしくは昼白色の光色が多用されています。
その理由は幾つか考えられます。良く言われるのが日本の高温多湿の気候が影響しているとのことです。電球色に比べ白い光は涼しい感じがするので自然と受け入れられるようになったのでしょう。
写真2. マンションの窓明かり
しかし、日本経済が高度成長期を終え始めた頃から、徐々に住宅照明の光色に変化が現れてきています。それは集合住宅などの窓明かりを見ると良く分かります。特に都市部の新しい家々は電球色の温かい光が窓から外に漏れている様子が伺えます。(写真2)
ただ欧米と違って、光源が蛍光灯もしくはLED の電球色のため、温かさの深みが少し違います。
このように、今日の日本の住宅照明は白色(または昼白色)と電球色のニ極化が見られます。
次のページでは「白熱電球のようなLED電球が登場」をご紹介します。