子供の教育/読み書き力

幼児の内にこれだけは身につけたい算数用語

小学校に入学してつまずくのが算数の文章問題。問題文に使われる言葉が理解できない子どもが増えています。幼児の内に遊びや生活の中で、こうした言葉に触れておきましょう。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

問題文の理解力が学力の決め手

低学年の子どもに勉強を教えてみると、とにもかくにも問題文の理解力が学力を決めると思います。例えば算数の問題で考えてみます。

【問題】
花子さんは、消しゴム1つと鉛筆2本を買って合わせて80円を払いました。太郎君は同じお店で鉛筆と消しゴムを1つずつ買って60円払いました。消しゴム1つの値段はいくらでしょうか?


おとなでも少しは考えますね?それがもし、右のような絵が描いてあったらどうでしょう?
消しゴム+鉛筆+鉛筆=80円、消しゴム+鉛筆=60円

算数の文章問題は絵にできたら解くのは易しい


違う点は鉛筆1個でその差は20円だから鉛筆は1本20円、消しゴムは40円とすぐ分ります。

こどもだって同じです。問題の文を絵のように理解できるかどうかが、問題が解けるかどうかの分かれ目なのです。絵を見て答えるのなら幼児にもできます。算数ができないという子どもの大部分は、問題文を整理して理解することができずに、つまずいてしまっているのです。つまり具体的なイメージが描けないわけです。

上の問題文に登場する「合わせて」「ずつ」「1つの値段」が理解できない子どもは少なくありません。言葉を知らないのではなく、具体的に何を表しているのかが想像できないのです。

「何と何を合わせるの?」「1つずつって消しゴム1個っていうこと?」「1つの値段って?鉛筆と消しゴムの値段?」と聞く子どもが必ずいます。

上の例のような買い物は、昔の子どもなら自分で経験があるので、最もわかりやすい算数の問題でした。けれども今は、買い物と言えばカゴに入れてレジでピッ!ですから、算数体験としては何の役にもたちません。

元学校の先生だった人が「今の学校の算数は計算ドリル主体で、考えさせる練習をさせていない。だから高学年で文章題が苦手な生徒がとても増えている」と言っています。この文章題に取り組む場合に必要なのが、算数用語です。

算数でよく使われる言葉に幼児期に親しんでおく

算数に限って使われる言葉ではありませんが、よく使われるのであえて算数用語と呼ぶことにします。これらの言葉を日常生活で使っていないと、具体的なイメージを浮かべることができないのです。

【基本用語】
いくつ、なんこ、どれくらい、どれだけ、それぞれ、ずつ、はじめに、まえ、あと、いまは、しき、かず、あつまり、グループ、たば、まとめる、あつめる、おなじ、つぎの、まえの、くらべる、ふくめる、のぞいて、ちがう、べつの


それから、年長児や小学生で不足していると思う力は、座標の応用力です。タンスの引き出しで、上から3段目の右から2番目というような指示の仕方が理解できるかどうかです。上からか右からのどちらか一方ならまだ良いのです。両方が合わさると、どこを指しているのかわからなくなってしまいます。生活の中で、子どもへの指示に使っておくとよいでしょう。

また、碁盤のように区切ったマス目上を進む課題の時に、自分自身のいるマスを数えてしまい、進む数を間違う子どもがいます。これもすごろくなどの経験が不足しているためです。

こちらに使われる言葉は以下のようなものです。

【順序や座標を表す言葉】
まえから、うしろから、うえから、したから、みぎから、ひだりから、ばんめ、だんめ、◯こすすむ、◯こもどる


上にリストアップした以外にもあると思いますので、随時付け加えていただけたらと思います。また、この先にたし算やひき算のための用語、例えば「ぜんぶで」「ちがいは」などがあります。こちらも遊びや日常生活で折りにふれ、使ってみてください。小学生になった時に、きっとに立つことでしょう。
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