浴衣に慣れない初めの頃は予期せぬトラブルも……
初心者の頃、本などでプロセスを一生懸命見ながら浴衣を着付けて文庫結びもなんとか羽根を作り、手先でくるんでいよいよ仕上げ……という時に「手先が短い」という事態に陥った事がありました。胴に巻いている間に、だんだんずれてしまったのか力の入れ具合を間違ったのか……(手順解説の図は解りやすい様に、全て手先をオレンジ色に変えています)。
「せっかくここまできたのに、やりなおしている時間も無いし」と浴衣でのお出かけを断念してしまわない為にも、こんな裏技をお教えします。
手先で羽根を結びきる
ほとんどの着付け方の本には「羽根を手先で2回くるみ(巻き)ます」と説明があります。ですが初心者ですと本の通りにやった筈なのに何故かどんどん手先が短くなってしまったり(その逆で最初にとった手先よりも長くなる事も)、リバーシブルでちょっと厚めの半幅帯では羽根の中心部が分厚くなり、2回巻くには手先が足りないという事が起こったりします。この手先を巻く作業は、ほぼ最後の段階ですので、もう一度やり直すとなると本当に泣きたくなってしまうのですが、大丈夫! そのまま手先で羽根を結びきってしまいましょう。
1.まず、1巻きしていた手先を戻します。気持ちも焦っている上、本を見ようとして思わず手を離してしまい、せっかく山ヒダまで作っていたのに羽根までおじゃんになってしまうなんて事も……。
そんな時は羽根の中央をヘアゴムなどで縛っておけば左図の通り両手を離しても羽根がくずれることはありません。ちょっとしたひと工夫です。
こうして摩擦面を広くする事で手先が抜けにくくなります。
それでも心配な方はハンドタオルや手拭を入れると土台もしっかりして安心です。
左右対称でキリリとした文庫結びも美しいですが、ちょっと長さが違っていたり少しぐらい傾いていたって、それは一生懸命自分で結んだんだな~と微笑ましいものです。
そこで「あら、ちょっと直すわね」と直してくれる方がいらっしゃったら「やっぱり変だったのかな」と落ち込まずに、「キレイに整えてもらえてラッキー!」と思って「ありがとうございます!」とお礼を言えば双方が気持が良いものです。